16年ぶり出場の三菱自動車倉敷オーシャンズ(倉敷市)が開幕戦で金星を挙げた。ルーキー右腕の広畑敦也投手(22=帝京大)が昨年王者のJFE東日本(千葉市)に7安打1失点完投勝利。自己最速を2キロ更新する154キロをたたき出し、来秋ドラフト候補に名乗りを上げた。

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三菱自動車倉敷オーシャンズ(倉敷市)が、昨年王者のJFE東日本(千葉市)を開幕戦で倒す金星を挙げた。

立役者は、ルーキー広畑敦也投手(22=帝京大)だ。3-0の3回1死三塁、ギアを上げた。岡田をカウント2-2と追い込むと、右腕をしなやかに振った。外角に外れるボール球だったが、154キロの勢いに押されたようにバットが回る。空振り三振に仕留めると、大きくほえた。後続も断ち、点を与えなかった。

「ランナーが出たら力で押そうと、腕を振ることを意識してます。向こうはチャンスで盛り上がっているけど、こっちはピンチで盛り上がっている。そこで落ちないようにしないと」

自己最速を2キロ更新するこん身の1球だった。7安打1失点完投勝利で、16年ぶり出場のチームに白星をもたらした。

打線は2回までに3点を先制。初回、補強でJR西日本から加わった田村強内野手(27=大体大)が先制の2点適時打を放つ理想的な展開だった。

首藤章太監督(51)は「(広畑は)すごいですね。私もびっくりしています。粘り強く投げてくれた」とたたえた。目標だったドーム1勝を達成。次なる目標を問われると「1戦1戦、目の前の戦いに向かい、1勝ずつ積み上げていきます」と口元を引き締めた。