ヤクルト奥川恭伸投手(19)が27日、甲子園決勝のリベンジを果たした。みやざきフェニックス・リーグ阪神戦(都城)で同学年の井上広大外野手(19)とプロ初対戦。昨夏の甲子園決勝では3ランを浴びたが、この日は2打数無安打に封じた。6回1安打無失点、毎回の7奪三振と完璧な内容で1年目のシーズンを締めくくった右腕には、高卒2年目の来季に大きな飛躍が期待される。高津臣吾監督(52)は来春1軍キャンプへの招集を示唆した。

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2年越しの“同学年対戦”で、奥川が意地をみせた。相手の4番井上を2打数無安打、1三振に抑えた。先頭で対した2回は146キロ直球で左飛。続く5回の打席では、カウント1-2から外角への147キロ直球で空振り三振に仕留めた。どちらも、キレと質が向上した直球で勝負した。毎回の7奪三振で、6回を1安打無失点。プロ入り後最多となる86球で、1年目のシーズンを締めた。

井上との対戦は、悔しい思い出となった19年夏の甲子園決勝以来。星稜のエース奥川は、履正社の4番井上に3ランを許し、敗れた。しかし、プロ入り後最初の対戦では奥川に軍配が上がった。

フェニックス・リーグで前回登板した19日ソフトバンク戦は5回2失点。そこから調整を重ね、フォームのバランスがよくなったことで、制球力も向上した。今季は右肘の軽い炎症などを乗り越え、1軍デビューも果たした。来季は初の1軍キャンプ参加が濃厚で、高津監督は「普通にいけば、そうなるだろうね。ファームからスタートする理由はない」と示唆。さらに「希望としては、しっかりローテーションに入って投げてほしい」と“未来のエース”に期待を込めた。