ルーキー森下がリーグ2位の防御率1・91を記録した。2リーグ制後、規定投球回に到達して防御率1点台の新人は12年野村(広島)以来8人目。野村は9勝目を挙げてから5連敗を喫して2桁勝利を逃したが、森下は10勝に到達。「2桁勝利+防御率1点台」の新人は66年堀内(巨人)以来、54年ぶりになる。野村が記録した12年は統一球導入2年目で、リーグ平均防御率が2・86。これまで防御率1点台の新人投手が誕生したシーズンはすべてリーグ平均防御率が2点台だったが、今季のセ・リーグは3・83。リーグ平均防御率が3点台以上の「打高投低」のシーズンに防御率1点台を記録した新人は2リーグ制後初めてだ。

森下は登板3試合目から防御率2点台で、9月終了時の防御率は2・63。10月以降の5試合で防御率0・24(37回で1自責点)を記録し、最後の登板で1点台へ突入した。チーム70、90、110試合時の防御率を比較すると、森下はずっと2点台に対し、過去の7人は0点台か1点台。シーズン序盤から1点台の7人とは異なり、普通の新人ならば疲れが出てもおかしくないシーズン終盤に調子を上げて1点台をマークした。

森下の奪三振数はリーグ3位の124個だったが、奪三振率はリーグ1位の9・10。奪三振の内訳は空振り90個、見逃し32個、スリーバント失敗2個で、見逃しで奪った三振はリーグで最も多かった。2リーグ制後、規定投球回に到達して奪三振率9・00以上の新人は18年東(DeNA)以来7人目。全員が2桁勝利を記録しているが、防御率1点台は森下しかいない。【伊藤友一】

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