ロッテは今季、山あり谷ありのシーズンの果てに2位に躍進した。選手、首脳陣の言葉の数々から2020年を全3回で振り返る。今回は後編。【構成・金子真仁】

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◆「優勝を狙える位置で戦えているのに長期離脱したくなかった。こういう戦いをしてる場にいられないのが嫌で早く戻りたかった」(田村龍弘捕手)

10月3日、右手指の骨折が完治しないまま戦列復帰。翌4日からはスタメンマスクに戻った。

◆「期待に応えられなくて…どうしても応えたくて!」(井上晴哉内野手)

10月13日、お立ち台を感情をあらわにした涙のサヨナラ打。コロナ禍で主軸への重圧が増しスランプに。ようやくの快打だった。

◆「一喜一憂してる場合じゃなくて、最後まで我々は突っ走らなきゃいけない。今の状態がどうこうじゃなくて、今までやって来たことを全て打席で出すだけ。そういう気持ちでやっていかないと、浮き沈みしてるようじゃ最後まで戦い抜けない」(井口資仁監督)

同じ10月13日、サヨナラ打の井上らを存分にたたえながら、最後は優勝争いへとナインを引き締めた。

◆「最後の最後にチームが沈んで、行けると思っていたCSがどんどん遠くなる感じは、戦っていて非常に苦しかったです」(藤岡裕大内野手)

11月8日、自身の本塁打もあってCS出場決定。10月以降の急失速で、残り3試合で3位に転落も、最後に西武を抜き返した。

◆「今年のような成績では来年は使ってもらえないと思いますし、もっともっと頑張っていきたい」(安田尚憲内野手)

11月16日、CS敗退で今季が終了。4番に固定されながら打率2割2分台に終わったプロ3年目を振り返り、危機感を口にした。

◆「(FA権行使検討の報道後に)SNS上でコメントをもらったりとか、そういう声もボクに届いていたので」(唐川侑己投手)

12月4日、海外FA権を行使せずロッテに残留することを決断。ファンへのメッセージを問われ、ファンの声の影響力を口にした。

◆「同じ世界ですけど、見ている世界は違うと思うので、少しでも上に行って、上からどう見えるのかを自分の中でも楽しみにしています」(高部瑛斗外野手)

12月10日、プロ1年目を終えての契約更改会見で「プロ野球の世界はどう見えたか?」という質問に回答。いい意味での野心を感じさせる言葉だった。

◆「野球、面白いなって思いました。なんか分からないですけど面白かったです」(佐々木朗希投手)

12月14日、契約更改会見で。1軍に帯同し鍛えた1年目。試合中はテレビ観戦だった。プロ野球の試合の感想を問われ、笑顔で答えた。(おわり)