ソフトバンク王貞治球団会長(80)が、5年連続日本一を目指すチームに「脱・20年型」の心構えを説いた。5日は球団の仕事始めで、ペイペイドームで鏡開きに出席。常勝軍団であるために、変化し続けることを求めた。新任の小久保裕紀ヘッドコーチ(49)による指導にも期待し、チーム内競争の激化を望んだ。

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勝っているからこそ、立ち止まってはいけない。パ・リーグ最長の日本シリーズ4連覇の更新に向けて、王会長の“年頭所感”は熱を帯びた。「去年までのことは終わったこと。常に、新たなスタートの年と受け止めている。ここ数年を振り返ると、若い選手も出てきたり、戦い方はどんどん変わっている。21年を勝ち抜くためには去年と同じではいけない。『2021年型の戦い』が求められる」。勝ち続けるためには常に変化することが必要だと強く訴えた。

17年に超人的な活躍を見せたサファテが故障すると、18年以降は森が守護神として成長した。19年は主砲の柳田が長期離脱しながら、グラシアルらの活躍で穴を埋めた。昨年は周東や栗原ら若手が台頭し、世代交代の旗頭となった。「相手も十分研究してくるし、11球団が打倒ホークスで来る。こちらは準備をして対抗しなきゃならない。チーム内の競争をより高めて、いい方向に作用するように」。王会長は高いレベルのポジション争いが常勝チームとしての循環を生むと説いた。

大きな変化として、今季から加わる新たなピースが小久保ヘッドコーチだ。王会長にとって、監督時代の教え子にあたる。「彼はすばらしい足跡をホークスに残してくれている。今まで以上に、野手は猛練習することが増えるだろうね。1年たったらものすごい変化になると思う」。チームの活性化に向けて、大きな影響をもたらすことを期待した。【山本大地】