森下カーブで新人王を取る! 阪神ドラフト5位の村上頌樹投手(22=東洋大)が入寮から一夜明けた7日、兵庫・西宮市の鳴尾浜球場で初めて練習を行った。東洋大3年時に大学日本代表に選ばれ、広島森下暢仁投手(23)とチームメート。新人王を獲得した森下直伝のカーブを武器に、プロ1年目からフル回転する。

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プロ1年目の始まりに、村上は胸を高鳴らせた。「施設がめちゃめちゃ充実している。練習をしっかりできるというのは、自分を成長させられるなと思いました」。入寮から一夜明けたこの日は、初めて鳴尾浜球場で練習。ウエートトレーニングなど約1時間半、しっかり体を動かした。

新人王右腕との意外な縁を明かした。村上は東洋大3年時に、大学日本代表に選出された。当時のチームメートに1学年上の広島森下がいた。ドラフト指名された時には「おめでとう」とメッセージも届いたという。「リーダーシップがあるというか、マウンドに上がるだけでチームが一体感がある。安心できるように見えたので、自分もそういう投手になりたいなと思ってます」。練習熱心で向上心の強い森下と過ごした時間は、大きな財産になった。

投手としての心構えだけではない。「宝刀」も伝授されていた。「カーブがすごかったので、カーブの投げ方であったり、マウンドに上がる時の気持ちを学びました」。教えをもとに試行錯誤しながら、自身の武器の1つになった。森下は昨季、そのカーブを駆使して翻弄(ほんろう)。プロ1年目の昨季、開幕から先発ローテーションの軸として回り、18試合に登板。チームトップの10勝を挙げ新人賞を受賞した。

村上はテレビ越しに、活躍をずっと見ていた。「来年(プロに)入って自分もここで活躍したいと思っていたので。今年、自分もそういう成績を出せるように、やっていきたいと思います」。直伝の武器を手に、先輩のようにプロ1年目からフル回転するつもりだ。 「あまり日本代表で投げられなかったので、次はプロの世界で対決することもあると思うので、そこで成長した姿を見せたいと思ってます」。いずれは互角に投げ合う姿で恩返しするつもりだ。【磯綾乃】

◆村上と日本代表 村上が東洋大3年時、森下が明大4年時に大学日本代表に選出。19年7月に神宮球場などで行われた日米大学選手権に出場した。森下は3試合の先発で15回を投げ2勝1敗、防御率1・20。計17奪三振の好投で最高殊勲選手賞に選ばれ、3大会ぶり19度目の優勝に貢献した。村上は1試合に中継ぎ登板し、2回2安打無失点3奪三振で白星を挙げた。

◆村上頌樹(むらかみ・しょうき)1998年(平10)6月25日、兵庫県生まれ。小学1年から「賀集少年野球クラブ」で投手として軟式野球を始める。南淡中では「アイランドホークス」で硬式野球を始め、3年時にジャイアンツカップ出場。智弁学園では、1年夏、3年春夏と甲子園に出場し、3年春は優勝。東洋大を経て、20年ドラフト5位で阪神入り。趣味はゲーム。座右の銘は「粉骨砕身」。174センチ、75キロ。右投げ左打ち。