ソフトバンクのドラフト1位・井上朋也内野手(17=花咲徳栄)ら4選手が7日、福岡・筑後市の若鷹寮に入寮した。近未来の正三塁手を狙うポスト松田候補は、10日から始まる新人合同自主トレに向けて気合十分だ。支配下のドラフト同期5選手は全員同じ高校生。声で鼓舞する「熱男役」に名乗りを上げ、元気よく仲間を引っ張っていく意気込みを明かした。ドラフト5位の田上奏大投手(18=履正社)は前日入寮済みで、新人たちが臨戦態勢だ。

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日本列島を大寒波が襲ったこの日、福岡にも雪が舞った。吹雪の中、若鷹寮に足を踏み入れ、プロへの第1歩を踏み出した井上は「やっとスタートのラインに立つことができた。素晴らしい環境だと聞いているので、すべての能力を上げていけるようにやっていきたい」と胸を高鳴らせた。

意識する存在は、自身が狙う三塁のポジションを長年守ってきた松田だ。「どういう方なのか気になります。プレーもそうですし、ベンチでのあり方だったり、チームに必要な存在。自分もそうなりたい」と目を輝かせる。

まずはルーキーの中での盛り上げ役を買って出た。10日から始まる新人合同自主トレに向けて「ゆっくりしている暇はないと思う。最初からいい印象を残せるように頑張りたい。一番大きく声を出して、先頭に立ってやっていかないといけない」と意気込んでいる。花咲徳栄では主将を務め、リーダーの自覚も十分だ。今季の同期入団は、支配下5人全員が高校生の同学年。「みんな仲いいと思いますし、いい刺激をお互いに与えながらやっていきたい」と「熱男役」に自信を見せた。

入寮に際しては、高校野球部の同級生から贈られた記念写真がはめ込まれた置き時計を大事に持参した。「(同級生の)みんなが応援しているので、期待に応えたい」。オフは同校の先輩でもある日本ハム野村と練習。「(ドラフト)1位おめでとう。早く一緒に戦えたらいいね」と声をかけられた。プロでの目標は「3割30本塁打をコンスタントに打つこと」を挙げ「息の長い選手になりたい」と大志を抱く。仲間たちの思いも胸に、第1歩を踏み出す。【山本大地】

◆井上朋也(いのうえ・ともや)2003年(平15)1月28日生まれ、大阪府出身。中学時代は生駒ボーイズでプレー。17年の世界少年野球大会で日本代表に選ばれた。花咲徳栄では1年夏、2年夏は外野手として甲子園を経験。2年冬からは主将を務め、内野手へ転向。センバツ切符をつかみ、昨夏の甲子園交流試合にも出場した。高校通算50本塁打。昨年のドラフト1位でソフトバンク入団。181センチ、87キロ。右投げ右打ち。