ポスティング申請での大リーグ移籍が実現しなかった日本ハム西川遥輝外野手(28)が失意の中、再スタートを切った。21日、2軍施設の千葉・鎌ケ谷で契約更改交渉に臨んだ。1年契約で4000万増の2億4000万円(金額は推定)で更改。今季は海外フリーエージェント(FA)権を取得予定も、夢への挑戦は一度白紙にして、新たなシーズンだけを見据える。

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失意の胸中を、隠しきれなかった。西川が、気持ちを切り替え、真っさらな気持ちで今シーズンに臨む。今年1月にポスティングシステムを利用したメジャー移籍が不成立となり、日本ハムに残留。高く、険しいメジャーの壁を感じさせられた。

西川 本当にアメリカに行くのは簡単な話ではないなと、行けなくなって気付いて。自分の実力のなさだったりを痛感した。人生で味わったことないくらいの挫折というか情けなさ。いろいろなものを痛感しましたね。

願いは届かなかった。昨年12月3日に球団からポスティング申請が行われた。複数球団からオファーに関する話を受けたが、最終的に納得のいく契約には至らなかった。「(代理人から)日本でやるほうがいいと言われた」。夢が断たれた2日後から、トレーニングを敢行。「動いていないと、もう狂っちゃいそうな感じだった。自分のメンタルは、まだ弱いんだなと思いました」と気持ちの切り替えに必死だった。

夢は一度、封印する。昨シーズンは115試合に出場して打率3割6厘、42盗塁。この日の契約更改交渉では1年契約で4000万増の、2億4000万で更改した(金額は推定)。順調なら今季中に海外FA権を取得予定も「まだ、そこまで考えられていない」と、声のトーンを下げた。「(日本ハムで)成績を残すことに関しては、絶対条件。そこに関しては、常に高いレベルを求めてやっていきたい」と見据えた。

年明けは、沖縄でオリックス吉田正と合同トレを実施した。昨年の首位打者から「本当に勉強になった」と新たなシーズン幕開けへ、力を蓄えた。昨年12月には巨人坂本勇と体を動かす機会を得た。「本当に大変だったんですよ、笑えないくらい大変だった」と苦笑いで振り返った、メジャーへの道。替え難い経験を力にして、再び日本球界で走りだす。【田中彩友美】

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