ヤンキースFAの田中将大投手(32)が、楽天に復帰することが決まった。28日、球団が発表した。2年契約で年俸9億円+出来高。巨人菅野の8億円を上回り、日本球界最高となる。また、背番号は「18」となった。この日、交渉役を務めた石井一久GM兼監督(47)がオンラインで対応した。

以下、同GM兼監督一問一答

-楽天入団へ意思を聞いた時の気持ちは

石井GM兼監督 情報が錯綜(さくそう)していた中で、ぶれずにしっかり田中選手とはコミュニケーションを取って、彼の選択をしっかりと待って、田中選手に考える機会をしっかり渡せたと思う。あたかも決まったことになったような情報もあったので、そういう情報で壊れることが非常に多くあるので。本日、田中選手から「楽天でプレーさせていただきます」と連絡を受けた時にほっとしたというか、彼の決断をしっかりと受け止められたと思っています。その中で、かねて楽天でプレーするという選択をした時に、素早く準備も整えてきた。そこから契約の話をさせていただき、合意させていただきました。

-連絡は今日の午前中

石井GM兼監督 そうですね。そこから契約の話をスタートさせて、そこまで時間がかからなかったことなので、スムーズにはいけたと思います。

-監督として田中の加入は戦力として大きい

石井GM兼監督 1つのチームとして優勝を目指す特別なピース。本当に彼はスペシャルな選手なので、現場としてはすごく心強いと思います。ただうちのチームに限っては震災から10年なので、すごく特別なシーズンだと思ってます。そこに田中選手がいるということは楽天や東北の方にとってはすごく特別なことだと思っている。田中選手をお迎えできて、すごく良かったと思います。

-シーズンへ先発ローテ入りは当然として、状態次第では開幕投手も考えていくか

石井GM兼監督 僕もアメリカから戻って日本でプレーしたことがありますが、それとは比べものにならないくらいしっかりとしたパフォーマンスを持った中で帰ってくることになると思う。ただ、だから当たり前に勝てるという世界ではないので。田中選手とコミュニケーション取っていても、マウンドだったりというところで日米違うので、しっかり体調というところもアジャストさせながら、戦っていくシーズンになると思う。そのキャンプの中でしっかり対応していってもらえればなと思ってます。

-キャンプへの合流のメドは

石井GM兼監督 最初の方には来られることにはなると思います。オープン戦が始まる前には来られると思いますけど。ただやっぱり、体を作るというところは日米関係ないですけど、いろんなことを調整していかないといけないので焦らず、シーズンをしっかりと見据えてもらえればと思います。

-交渉はいつごろから始まったのか

石井GM兼監督 金額の提示や決まっているということは特になくて、まず先に田中選手の意思表示がアメリカにあるのか、日本にあるのかが大事。それが日本にあると伝えてもらったときに、条件提示をしっかりと出せるように準備は整えてきた。僕にもアメリカの方にネットワークはあるので、ちまたで言う球界関係者じゃなくて、オフィシャルな関係者がいるので。そういうところから情報を収集して、彼の居場所がなくなってきたということはなくて、最初から彼はいろんなオファーを選べる中にいた。その中で決断をするのは非常に大変なことだと思うので、そこを整理するのが一番。条件提示より本人の整理をしてほしかったと思う中で、条件提示は意思表示するまで出しませんでした。

-年俸は

石井GM兼監督 人のお金なんで僕が公開することではない。ただ言えるのは、1人だけの最高球界年俸であることは間違いないです。

-本人は入団決定の意思を電話でどのように伝えたのか

石井GM兼監督 「楽天の方でお世話になります。精いっぱい頑張って優勝に貢献できるように」という話でした。

-背番号18を空け、自主トレにも施設を開放してきた。獲得に影響は

石井GM兼監督 球団の姿勢もそうですけど、プレーヤーとして成長を支えてくれたファンの方が東北にいる、というのを彼はよく知っていると思う。その中でプレーをしたいというのが一番大きい部分だったと思います。

-今年は東日本大震災から10年

石井GM兼監督 今年は特別、本当に大事な10年目のシーズンなんだよね、という話をして、彼も「もちろんそうですよね」という話をして、その中で何か感じるものがあった感じはしました。ただそこでお互い深い話というよりは、そういう特別な年に導かれるというのは本当にすごくスペシャルな選手にしかありえないタイミングなのかなと思っています。

-田中の加入はチームの中長期的な成長につながるか

石井GM兼監督 そう思います。現場の中でも一番の成長の源、スパイスというのは同じ選手同士の刺激の中で生まれて来ると思う。その中でバッターだったら浅村、大地だったりが入って、新たな刺激が生まれたように、田中選手にもそこは求めていきいたいですけど、まずは人のことより自分のことが大事なことだと思う。日本を7年離れてる訳なので、その中でしっかりいろんな環境の変化を捉えていかないといけない。自分のパフォーマンスを出すことに集中していただいて、ただ周りはその姿勢を見ているので、勝手にそういう刺激は受けてくれると思います。

-田中の復帰が日本球界、社会へ与える影響

石井GM兼監督 今は大変な時期を過ごすみなさんがいる中で、僕たちが野球をやらせていただいている。田中選手という注目の選手が日本でプレーすることになったのは元気を与えることもできるプレーヤーだと思うし、特別な位置にいる選手だと思うので、球界だけでなく社会全体の中で明るいニュースを届けてくれると思います。