中日が6日、沖縄の1軍北谷キャンプで、投手陣全員で実戦を想定した送りバントの練習を行った。与田監督の就任以来初めての試みで、陸上競技場ではスライディング練習も敢行。攻撃力アップに励んだ。

メイングラウンドのアグレスタジアム北谷に、1軍投手陣18人が集結した。一塁側のバント用ケージだけでなく、三塁側にもバント練習エリアを準備。内野には根尾ら野手8人を走者として配置し、捕手4人も守備位置に就いて打球を処理する実戦形式。与田監督は「投手が(バントを)できれば流れが良くなる」と、練習の意図を説明した。

昨季の他球団の規定投球回到達投手の送りバント成功率は阪神西勇の9割を筆頭に、広島森下まで5割以上の成功率。一方の中日は昨季8勝の福谷が成功率7割をマークも、大野雄ら主な先発投手は5割を切る。昨季の中日の総得点はリーグ最低の429点。得点力強化へ、まず投手の小技成功率アップに力を入れた。

この日は、球場に隣接した陸上競技場でスライディング練習も追加した。発案者の英智外野守備走塁コーチは「試合の状況で滑った方がいいことがある。1度は入れたかった」と説明。与田監督も「ケガの防止になる。できるようにしておいた方がいい」と補足した。

中日は今季、リーグ屈指の投手力を軸に10年ぶりリーグ制覇を目指す。「9人目の野手」の送りバント、走塁強化で、打線を文字通り線にする。【伊東大介】