外野争いに参戦!! 広島長野久義外野手(36)が4日、本拠地マツダスタジアムでの練習再開初日から2日続けて特打を行った。首脳陣と話し合いながら抑えてきた調整のペースを3月から一気に上げた。左翼の守備にも就き、臨戦態勢は整った。チームづくりが最終段階に入るソフトバンクとの3連戦を前にした関東遠征(16日西武戦、17日ヤクルト戦)にも外野守備に就くとみられる。

  ◇   ◇   ◇

小麦色に日焼けした顔から白い歯が輝く。快音を残す打席だけでなく、左翼で打球を追う長野の表情が順調な調整ぶりを表していた。温暖な沖縄から、広島に帰ってきて再開した全体練習で2日続けて特打に参加。左翼でシートノックも受けた。「花粉が大変ですね。花粉症なので」と鼻をすすりながらも、この日は最後に球場を後にした。

首脳陣と話し合いながら調整を進めてきた。春季キャンプでは一部別メニュー調整しながらも、打撃練習では快音を響かせ、鋭い当たりを連発。飛距離も出ていた。見つめる朝山打撃コーチも「打撃はしっかり振れているので、心配していない」とうなずき、本人も「脳みそと体のズレがそこまでない」と独特な表現で手応えを口にしていた。2月22日は初の実戦形式の打席で、大瀬良から唯一の安打を放ち、貫禄を示した。

例年の春季キャンプではチームメートや裏方と「飲みニケーション」、外国人選手とは親睦を深める食事会を開くなどグラウンド外でも大事な役割があった。だが、今春は新型コロナウイルス感染防止のため、外食は禁止。宿舎では禁酒の日々を過ごした。もの寂しいキャンプも、調整面では幸いしたのかもしれない。

豊富な経験から開幕への逆算はできている。段階的にペースを上げる長野に、河田ヘッドコーチも「今の時期にあのくらいできれば、こっちは十分」と信頼を寄せる。16日からの関東遠征で外野守備に就くプランを描く。移籍3年目のシーズンに向けて、長野は長野らしくチームの勝利を最優先に考える。「まずはしっかりチームが勝てるように。勝つ事が個人的な目標」。ただ、一選手としても、譲るつもりはない。「最初から出ることはみんなが思っていること。常に出たい気持ちを持ってやっています」。この日の練習後に野間の2軍降格が決まり、2軍調整中の西川は早ければ6日にも昇格する。競争が本格化した外野争いに、実績十分の男が満を持して参戦する。【前原淳】

広島担当のツイッターはこちら―>

広島ニュース一覧はこちら―>