東日本大震災から今年で10年。宮城出身の楽天岸孝之投手が、チームの13年以来のリーグ優勝、日本一へ、強い思いを示した。

9日、ロッテとのオープン戦で先発し今季2度目の登板を5回2安打1失点。立ち上がりからテンポよく腕を振り、5回2死まで無安打投球と、順調な調整ぶりを見せた。

8年前の13年。西武の一員として楽天の優勝がもたらす東北への好影響を、肌で感じた。「対戦相手ながら、東北の皆さんがすごく喜んでいるところを見ていましたし、何よりも優勝することでこんなに喜んでくれる方々がたくさんいるんだと思いました」。

16年オフ、FAで楽天へ加入。4年間で29勝を積み上げた。「皆さんに喜んでもらいたいと思って頑張ってきましたけど、なかなか結果が出せずに申し訳ない気持ちもあった。野球でしか何もできないと思う」。だからこそファンへ勝利を届けたいと、強く願う。

シーズン初登板は開幕4戦目、30日ロッテ戦(ZOZOマリン)が濃厚。「僕の力だけじゃなくて、チーム一丸となって、みんなで喜んでいただけるように、頑張ってやっていきたいと思います」。もう1度、東北に歓喜をもたらす。【桑原幹久】