「1+3」が21年広島の勝利の方程式? 広島佐々岡真司監督(53)、横山竜士投手コーチ(44)、永川勝浩投手コーチ(40)にそれぞれ、勝ちパターン入りに求めるものを聞いた。3人合わせて222勝288セーブ194ホールド。勝ちパターン投手としての極意を知る首脳陣の考えから浮かび上がった構想は「1+1+1」ではなく、「1+3」だった。

   ◇   ◇   ◇

21年版の「勝利の方程式」を導き出す実戦機会は、オープン戦残り8試合となった。佐々岡監督は現役時代に先発100勝100セーブ、横山投手コーチは110ホールド、永川投手コーチは球団最多165セーブと、継投の難しさを誰よりも知る。開幕までに「方程式」を確立できなかった昨季と同じ轍(てつ)は踏むわけにはいかない。

佐々岡監督 7回は誰、8回は誰というよりも、連投をさけられる投手がいれば、(起用も)幅広くなるし、選択肢も広がる。

セットアッパー3人体制を描いている。永川投手コーチも「7、8(回)が一番しんどい。理想は3人の誰が投げても結果を出してくれること」と指揮官と同じ考えを明かす。3人制にすることで登板過多を回避するメリットもあると、横山投手コーチはいう。「誰かに負担が偏るのも避けたい。休ませるときはどこかで休ませられる」。今季は「1+1+1」ではなく「1+3」が「方程式」となるかもしれない。

3首脳がそろって勝ちパターン投手に求めるものは「失敗した後の精神力」という。横山投手コーチは「ぜいたくな悩み」としながら「失点したり、失敗したりした後の投球、立ち居振る舞いを見てみたい」と話す。永川投手コーチも「最高の球を投げて打たれることはある。次の登板のときに腕の振りを継続してやってくれるか」と説く。「1+3」を導き出す鍵は、失点後の姿にあるかもしれない。

「1+3」の中でも抑えの「1」は最重要ポジション。佐々岡監督は「すべてにおいて上じゃないといけないと思う。気持ちの強さも大事」と昨季固定に時間を要した抑えを最優先に考える。守護神候補フランスアが長期離脱となる中、1軍リリーフ陣がアピールを続ける。ドラフト1位栗林良吏投手(24=トヨタ自動車)ら新人3投手が無失点投球。昨年経験を積んだ塹江らも負けじと好投を続ける。残り8試合で、答えは出る。【前原淳】