4年間、最後まで慣れなかった寒さも、ドームなら関係ない。西武ブランドン内野手(22)が第2の故郷北海道で新人3人目のアーチを描いた。8番指名打者でスタメン出場。2回1死一塁で左翼席へ2ランを運んだ。東農大北海道オホーツク時代を過ごした北の大地でのプロ初本塁打で、初安打と初打点も記録。「4年間頑張ってきて、そしてまた同じ北海道の舞台で少し恩返しできたかなと思います」と、負傷交代の山川に続く1発を振り返った。

まさかアーチの共演があるなんて、2年前は思いもよらなかった。大学時代に地元・沖縄に帰郷していた一昨年末、ライブイベントで山川と遭遇。意を決して話しかけ、プロ入りを目指していると伝えた。「頑張って(プロに)こいよ」と掛けられた言葉を胸に、冬は氷点下20度の網走で、ドラフト6位指名での西武入りをたぐり寄せた。

中学生時代、必死に追いかけた日本ハムからメモリアル弾を決めた。2月は春季キャンプに駆けつけ、ダルビッシュ(現パドレス)の大きさに興奮した。「サインはもらえなかったので、たくさん写真を撮っていました」。追いかけたあこがれのユニホームを相手に、堂々たる姿を見せた。

5回には中前適時打、8回には犠飛を放った。1発を含め1人で4打点でお立ち台に立った。ブランドンという名前の由来は「何事にも動じず、強くたくましい人になって欲しい」という両親の思い。だから、登録名にもこだわった。「ホームランを打って、これまでの悪い流れが全部吹っ切れたように思います」。大器が北の大地で開花した。【栗田成芳】

◆ブランドン タイシンガー・ブランドン大河(たいが) 1998年(平10)6月15日、沖縄県うるま市生まれ。沖縄・石川では最速147キロの投手としても活躍。東農大北海道オホーツクでは首位打者3度、ベストナイン5度。20年ドラフト6位で西武入団。今季はオリックスとの開幕戦で、途中出場ながらプロ初出場。179センチ、84キロ。右投げ右打ち。

▽西武松本(6回途中7安打3失点)「(ブランドンの)あのホームランでより勇気が湧いたというか、自分の投球を後押ししてくれたと思います」

▽西武若林(同期のブランドンに負けじと、地元・北海道で2盗塁と犠飛による1打点)「今日はブランドンに全部持ってかれていますので。(犠飛は生還した)木村さんに感謝です」

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