1カ月前まで同僚だった左腕の新天地初勝利を、一振りで奪った。巨人若林晃弘内野手(27)が土壇場で値千金の一打を決めた。1点を追う9回2死一塁。代打で打席に入った。カウント1-1からの3球目。ヤクルト守護神、石山の147キロ直球をフェンス直撃の二塁打。同点走者の一走、増田大を本塁に迎え入れた。「得点圏でもない。長打じゃなきゃ点が入っていないので、長打でよかった」と前打者の代打亀井凡退から潮目をひっくり返した。

確固たる意志に従った。3月1日に田口との交換トレードで加入した広岡の代打で打席へ。「チームが嫌な流れで、少し重たい雰囲気だった。とにかくつないで勝てるようにという気持ちだった」。スタメン出場も3打数無安打、1併殺で苦戦していた広岡をカバーした。一走の増田大のアシストも受けた。「マスがいたからこそ、真っすぐを張れた部分はある」と盗塁を警戒する相手バッテリーの心理を的確に読み解いた。

今季は自身初の開幕1軍&開幕スタメンを勝ち取った。だが、開幕2戦目の3月27日DeNA戦の走塁で右太もも裏に張りを訴え、負傷交代。2試合欠場し、途中出場を経て、前日2日にスタメン復帰した。この日はベンチスタートも代打で勝負強さを発揮し「責任を感じている。その中で休ませていただきながら何とかチームに貢献したいという気持ちでいる」。負ければ今季初の連敗だった窮地で、若林が光った。【久永壮真】

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