期待の3年目左腕が巨人の借金生活突入を阻止した。高橋優貴投手(24)が7回0/3を2安打無失点で今季2勝目を挙げた。磨きなおした直球を軸に自慢のスクリューを駆使し、好調阪神打線を6回1死まで無安打に抑える快投。中川、デラロサとの無失点リレーを決めた。打線も今季初2番のキャプテン坂本勇人内野手(32)が1号ソロを放つなど組み替えが奏功。投打がかみあい連敗を2で止めた。

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温存したスクリューでバットに空を切らせた。高橋は初安打を許した後の6回2死一塁、カウント1-2から外角のボールゾーンに逃げる121キロでマルテから三振を奪った。「コースにいくところはコース、高さのところは高さで、メリハリを付けて投げられたと思う」。6回1死まで続けた無安打投球を崩されても動じることはなかった。

勝負どころでのスクリューの裏で、直球が輝きを取り戻した。この日投じた110球中、直球は全体の約54%の59球。「初回からいつ交代してもいいように全力でいった」と内角を強気で攻め立てた。オープン戦中の3月は思うように投げられない直球に悩んだ。ジャイアンツ球場でのキャッチボール中に、菅野から「もうブルペンでスクリューとチェンジアップを投げるの禁止ね。手首が死んで球が遅くなるよ」と、助言を受けた。2日後に入ったブルペンでは43球を投げスクリューはなし。得意球を封印し課題の直球と向き合った結果、本来の直球の姿が戻った。

聖地での1勝は格別だ。東海大菅生時代は甲子園出場はなし。プロでも過去公式戦3試合に登板し、勝ち星はなかった。「小さい頃から甲子園は憧れの場所だった。こうやって勝てて、とても気分がいいです」と満面の笑みを浮かべた。開幕前の3月14日の甲子園での同戦では、5回1失点も開幕ローテ入りが白紙になった。1カ月前の悔しさを結果で晴らし、うれしい思い出で上書きしてみせた。【久永壮真】

 

▽巨人原監督(先発高橋について)「少々の荒れ球というのは彼の特長でもあります。その中で要所要所でいいピッチングをしてくれましたね」

 

▽巨人中川(8回無死、一、二塁から登板し、1回無安打無失点の好リリーフ)「あまり途中からいくことがないので緊張しました。2点あったので1点はOKという気持ちで、1人ずつ丁寧に投げることを心がけました」

 

▽巨人炭谷(今季初先発で4回に中犠飛で初打点。チームの完封リレーも演出)「出た時にやれることをやろうと思っている。(高橋に内角を攻めさせたのは)右打者のインコースがナチュラルに滑っていたので早い段階で力があるうちに突っ込んでおけば楽かなと」

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