ロッテ山口航輝外野手(20)が8回、決勝の3号ソロを放ち、チームを引き分けを挟んでの5連勝に導いた。

殊勲のスラッガーは、若き詠み人でもある。中学時代、伊藤園主催の「お~いお茶 新俳句大賞」で佳作特別賞を受賞。これまでの主な俳句(川柳?)をまとめる。【構成・金子真仁】

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◆「ラグビーの 選手の体 湯気が立つ」

13歳山口少年の初作品。アスリートの熱気とお茶の湯気を比喩させたと思われる。大阪の実家には受賞作がプリントされたお茶が段ボール何箱分も届いた。

◆「ホームラン たくさん打つぞ 今年こそ」

1月30日、石垣島キャンプの直前の取材の最後に、記者のむちゃ振りに笑顔で応じて7年ぶりの1句。

◆「下半身 鍛えまくって 膝笑う」

2月のキャンプ中、松中臨時コーチの猛練習を終わった後の取材対応にて。岡大海外野手(29)が興味津々の様子で報道陣の後ろを通り過ぎた。

◆「3月は 桜も咲くぞ 僕も咲く」

静岡でオープン戦1号。人気漫画「ちびまる子ちゃん」の舞台は球場近くの静岡・清水。見事にかっ飛ばして「友蔵 心の俳句」状態にならずに披露成功。

◆「まだ寒い 北の大地で 僕熱い」

札幌ドームでオープン戦2号。屈指の名作。

◆「開幕だ 玄界灘で 大暴れ」

プロ3年目での初の開幕1軍が決まり、開幕前夜に福岡・ペイペイドームで詠んだ。開幕戦では見事にプロ初安打をマーク。

◆「春の夜 夢にまで見た 初アーチ」

4月9日の西武戦で高橋のカットボールを右翼へ運んでプロ1号。試合に敗れ、お立ち台での披露はかなわなかった。

◆「今度こそ マリンの台で 句を詠むぞ」

伊藤園から初本塁打祝いで「お~いお茶」の差し入れがどさっと届き、それを受けて4月19日に披露。

◆「時の人 ぺこぱに力 もらったよ」

4月20日、日本ハム宮西から決勝弾を放ち、ついに夢のお立ち台へ。思ったより緊張しなかったと言いつつ「ぺこぱ」を一度かんで、時を戻す力技を見せた。

 

◆山口航輝(やまぐち・こうき)2000年(平12)8月18日、大阪市生まれ。明桜では2年夏の甲子園出場。3年夏の秋田県大会ではライバルの吉田輝星(現日本ハム)を擁する金足農との決勝に敗れた。18年ドラフト4位でロッテ入団。昨年は2軍で全70試合に出場し、チーム最多の7本塁打、30打点。今季推定年俸560万円。183センチ、97キロ。右投げ右打ち。

 

<お立ち台で俳句>

西武の変則左腕、小石博孝が楽天戦(西武ドーム)で初勝利を挙げた12年5月3日、お立ち台で「初志貫徹 負けぬという気持ちで 初勝利」と一句披露している。字余りの多さに球場全体がざわつき、「やらかしたぁ。すみません、字余りで」と頭をかいた。同投手は大分・鶴崎工2年の時、授業の一環で「伊藤園お~いお茶新俳句大賞」に応募。「二人きり いつも以上の 心臓音」と詠んだ一句で都道府県賞を受賞した。

 

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