広島森下暢仁投手(23)が、7回5安打2失点の粘投実らず、プロ入り初の連敗で2敗目を喫した。

前回5失点で敗れた14日の阪神戦から今季初の中5日登板。今季最多の4四球を与えるなど本調子ではないマウンドで粘ったが、打線の援護にも恵まれなかった。4勝負けなしだったヤクルトにプロ初黒星。チームはヤクルトと入れ替わる形で4位に後退した。

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森下は降板後のベンチで、ぼうぜんとグラウンドを見つめた。7回5安打2失点。今季最多の4与四球と本調子ではなかったものの、先発としての役割は果たした。だが、チームを勝利に導けなかった。「点を取られてはいけないところで取られてしまった。そこで流れは変わってしまう。(先制点を)取ってもらった分、何とか粘ることができなかったのは反省です」と下唇をかみしめた。

上々の立ち上がりをみせた。初回に2つの空振り三振を奪うなど、2回までパーフェクト投球。3回は1死から元山に三塁打を許したが、後続を断ち切った。5回は1死一、三塁のピンチを招きながらも、最速153キロとうなりをあげた直球を軸に、元山、田口から連続の空振り三振で窮地を脱した。

しかし中盤以降は先頭打者の出塁に泣いた。1点リードの6回、先頭山崎に左翼フェンス直撃の三塁打を許し、中村の右犠飛で同点に。7回は先頭の松本友に四球を与え、暴投も重なり1死三塁から代打川端に低めの直球を捉えられ、右前への決勝打を浴びた。「入りはあらためて大事だなと思いました」と反省。佐々岡監督は「ゲームを作ってくれたのはあるけど、特に7回の先頭打者は森下らしくないという感じは受けた」と指摘した。

課題だったカーブは立て直した。前回阪神戦ではカーブのコントロールに苦戦した。1週間で試行錯誤を重ね、本来の軌道を取り戻し、この日はカウント球として有効に操った。「全体的に良かったのかなと思います」と振り返った。

これで昨季から4勝負けなしだったヤクルト相手に初めて敗戦を喫した。また、昨年敗戦後の登板は必ず勝ち星を挙げていたが、この日敗れたことでプロ初の連敗となった。悔しさをバネに、巻き返しに転じたい。【古財稜明】

広島横山投手コーチ(森下について)「立ち上がりは高さを意識していたようには見えたけど、全部を完璧に投げ切ることはできないので。前回よりもいい感覚だと本人が言っているので、それが一番なのかなと思う」

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