“土曜”のうなぎ効果で、初ものをつかみとった。楽天ドラフト1位の早川隆久投手が、球団新人初となる4月中の3勝目を挙げた。

西武相手に6回6安打7奪三振3失点と粘投。大量援護の勢いにも乗り、自身2連勝。同僚の涌井、オリックス山本らに並びハーラートップタイの白星にも「自分よりチームの勝利が一番。野手の皆さんに感謝したいです」と胸をなで下ろした。

パワーがみなぎった。登板前日の24日。石井GM兼監督からチームに、1つ5000円以上のうなぎ弁当が差し入れられた。脂の乗ったふわふわのかば焼きが1尾半。甘じょっぱいタレに包まれた白米とのバランスがたまらない。うなぎが大好物の早川はペロリと平らげ「うなぎを食べたからこそ、今日もストレートがうまく乗った。うなぎが自分に力をくれました」。最速147キロの直球は威力十分。1回一、二塁のピンチも中村、栗山を抑え、するりと抜け出した。

評価がうなぎ上りの左腕は、周囲よりもチームの1勝に目を向ける。早大時代に東京6大学リーグで投げ合った法大出身のロッテ鈴木の初勝利にも「チームの勝ちのためにどうやって自分が働くかだけ。特に誰がすごいとは意識していないです」。足元を見つめ直し、向かい来る敵をさばき続ける。【桑原幹久】

▽楽天石井GM兼監督(3勝目を挙げた早川に)「あんなに安定感のある新人もいないですよね。プロで何年もやっているようなマウンドさばきをする投手だと思う」