中日が、阿部寿樹内野手(31)の3号ソロでソフトバンクに連勝し、今季初の3連勝を飾った。

8回、3番手藤嶋が柳田に同点2ランを浴びたその裏、会心の一撃を左翼席に運び、粘る王者を振り切った。

「なんとか塁に出て、チャンスを作ろうと思い切りスイングしました。打った感触もよかったですし、いい角度で上がったので入るかなと思いました」。8回1死、ソフトバンク泉のストレートに力負けすることなくスタンドにたたき込んだヒーローは、お立ち台で声を震わせた。

昨季は自己最多の13本塁打。期待が高まる中で開幕を迎えたが、打撃不振が続いた。4月を終えた時点の打率は1割5分9厘。得点力不足の要因の1つに掲げられ、先発を外れるケースも増えた。だが、5月に入り徐々に状態を上げ、これで月間打率は3割6分(50打数18安打)。「4月はチームにめちゃくちゃ迷惑をかけていたので、これをきっかけにどんどん打っていけたらと思います」。踏ん張ってきた自慢の救援陣がつまずきかけたからこそ、価値ある一撃。12球団最後ながらチームを3連勝に導き、18年以来となるソフトバンク戦勝ち越しを決めた。【安藤宏樹】