3年目捕手の一打から試合をひっくり返した。

「日本生命セ・パ交流戦」ヤクルト2回戦で、楽天太田光捕手(24)が4回に同点打を放った。ビハインド展開で好投を続けたバッテリー、則本昂大投手(30)を援護。3点リードから逆転負けした前夜の雪辱を、逆転勝ちで果たした。

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1点を追う4回2死一、二塁、太田は2球で追い込まれたがあきらめなかった。ヤクルト田口の変化球攻めに食らい付く。外角に落ちていく球を拾い、中前に落とした。「則本さんが頑張っていますからね。追いつけてよかったです」。ゲームをふりだしに戻し、5回の勝ち越しにつなげた。

同じミスを続けるわけにはいかなかった。2回の第1打席、中軸から広げた1死満塁の絶好機が巡ってきた。低めに制球されたツーシームにバットを出して結果は遊ゴロ併殺。犠飛でもOKの場面で1点も取れなかった。「1打席目のチャンスで凡退してしまった。次のチャンスは打たなくてはいけないなと思って入りました」。すぐさま借りを返した。

3年目の今季、ここまで56試合中45試合に出場。2年連続で開幕スタメンマスクをかぶり、投手陣を引っ張る。12球団でも強力な先発ローテの布陣は、日本球界に復帰した田中将、岸、涌井ら30代のベテランぞろい。年上の面々にも臆さず考えを伝え、大卒1年目ルーキーの早川のことは鼓舞してきた。

この日の先発、則本昂とは今季9度目のバッテリー。5勝すべてで経験豊富な右腕の女房役を務めている。「則本さんとは試合中にコミュニケーションが取れている。結果、抑えることができてよかったです」。4投手を最後までリードして最少失点に抑え、チームは逆転勝ちで1位タイに浮上。「8番捕手」が攻守で支えた。【鎌田良美】