天国の愛犬へ一打をささげた。楽天黒川史陽内野手(20)が13日、「日本生命セ・パ交流戦」阪神3回戦(楽天生命パーク)に「7番DH」でフル出場し4日広島戦以来、8試合ぶりの適時打を放った。3点を追う7回1死一、三塁。阪神馬場の甘く入ったフォークを捉え、一、二塁間を破った。「茂木さんがつないでくれて、次の銀次さんへなんとしてもつなぐんだという気持ちでした」と一塁上で右腕を突き上げて喜んだ。

悲しみを力に変えた。前日12日、奈良の実家に住む愛犬エクが天国へ旅立った。「本当によくご飯を食べる子で食いしん坊だったので、天国では食べすぎないようにしてほしいです。大好きな愛犬のためにも、気持ちで打ちました」と思いをバットに乗せた。

1年目の昨季はコロナ禍の影響で実施されなかった交流戦に、今季は10試合に出場した。未対戦のセ・リーグ相手に「結構難しかったのですが、1球目から1発で仕留めることができた打席は何回かあったかなと思います」とアジャスト。21打数7安打、打率3割3分3厘、1本塁打、5打点と結果を残した。石井GM兼監督も「上でもそこそこ結果を出しているので4打席を与えるところも作って成長を促してあげたい」と期待を込める。

この日で交流戦は終了。4日間試合がなく、18日から6連勝中と勢いに乗るオリックス戦からリーグ戦が再開する。黒川は「パ・リーグの投手からいい成績を残せていないので、強い真っすぐを投げるいい投手からしっかり打つことができるようにしたい」と意気込んだ。【相沢孔志】