西武が天にささげる白星を飾った。「日本生命セ・パ交流戦」の広島戦は、8連戦の7戦目、コロナ禍で中止となった振り替え試合。ブルペンデーと割り切って送り込んだ先発・与座が3回無安打の完璧な立ち上がり。投手6人送り込み、最後は平良が開幕33試合連続無失点で自らの日本記録を更新して、1点差勝負をものにした。

辻監督は「試合前にそう(訃報を)聞いていたから、その日に勝てて良かったと思います」と、試合後の一礼に思いを込めた。

球団歌「地平を駈ける獅子を見た」の作曲者・小林亜星さんの訃報に、試合前に指揮官自ら思いをはせた。79年、博多から埼玉・所沢へ本拠地移転した際に「西武ライオンズ」とともに誕生した曲。84年に入団した辻監督にとって、現役時代の青春時代から、監督就任後も常にそばにあったメロディーだった。「あの歌でずっと野球やってきて、応援された曲なので」。カラオケでも自然と流れてマイクを握った。「歌ったことあるに決まってるじゃない。カラオケで歌ったよ。もちろん」。勝利の味を思い出せる曲だった。

3連勝で23日ぶりに勝率5割復帰を果たした。15日広島戦で交流戦は一区切り。18日からリーグ戦が再開する。場所はメットライフドーム。「今、メットライフドームでの勝利時には小林さんが作曲されたこの名曲が流れますが、今シーズン、1回でも多く場内に響き渡るよう、やってまいりたいと思います」。流れた曲の数だけ優勝が近づく。自らの手腕で奏でてみせる。【栗田成芳】

▽西武呉念庭(4回無死一、二塁で先制適時打。得点圏打率5割) 結果はそうなっているんで僕もやりがい、モチベーションもって打席に入っている。だんだん積み重ねて、ビックリしますね。自分でも。

▽西武渡辺(6回から登板し2回無安打無失点3奪三振で勝利呼び込む) やっとチームの一員になれたと思っているので、うれしいです。1つ上に平良さんという偉大な先輩もいらっしゃいますし、お手本にして自分も頑張りたい。

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