<DeNA4-7広島>◇18日◇東京ドーム

広島高卒2年目の玉村昇悟投手(20)が、“5度目の正直”で悲願のプロ初勝利をつかみとった。1軍デビューから5試合目の先発となるDeNA戦で、自己最長の7回を投げ、自身初の10奪三振で6安打2失点と力投した。自己最多115球の熱投で、交流戦18試合で勝利のなかった先発に19試合ぶりの勝ち星をもたらした。チームの最下位脱出に大きく貢献した。

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玉村は球界のレジェンドの“金言”により、原点に立ち返った。新型コロナウイルスの影響で外出することができず、寮の部屋で野球に関する動画をスマートフォンで視聴することが日課だった。そこで昨季途中にたどり着いたのが、ソフトバンク工藤監督、巨人桑田投手チーフコーチが、現役引退後にそれぞれ子どもたちに技術指導を行っている動画だった。

直球や変化球の投げ方を始め、フィールディングの入り方、体の使い方、考え方などをわかりやすく説明しているという。中でも左腕が印象に残っているのがキャッチボールの意識だという。「(2人とも)『胸に投げることが大事』と言ってました。今まではいい球を投げようとかを思っていたんですけど、相手に投げる、狙ったところに投げることが一番大事だとあらためて感じた。ずっと意識してやってます」。何げなく目に留まったレジェンドの教えを継続し、悲願のプロ1勝につながった。【広島担当=古財稜明】