マウンドの19番が天を仰いだ。2-2で迎えた7回。阪神の2番手藤浪晋太郎投手(27)がのみ込まれた。

1ヒット、2四球で2死満塁とするとフルカウントから4番ビシエドへの7球目、156キロが外角へ。痛恨の押し出し四球で勝ち越し点を献上した。続く堂上には、右中間へ走者一掃の適時二塁打と勢いを止められず。この回一挙4失点でジ・エンド。ただ、矢野監督は「勝負にいった中での結果なんで、使っている俺の責任として受け止めている」と右腕を責めることはなかった。

時計の針を戻せば、つながらない打線が重い空気を作り出していた。初回から中盤まで毎回のように得点圏に走者を進めたが、序盤の得点は4回糸原の遊ゴロ併殺の間に奪った1点だけ。1番近本が3安打、2番中野が2安打を放ちながら、走者がかえってこない。3回2死二、三塁の場面では4番大山の右中間へ抜けようかという当たりを右翼手の加藤翔に横っ跳びでキャッチされて勢いをそがれた。

「かみ合ってないというところ。そういうところでもう1本出てないというのが点になってない」。中日よりも4安打多い12安打を放ちながら、わずか2得点。指揮官もさすがにもどかしさを隠せない。2回には1死一塁から7番糸原の中前打で、一塁走者サンズが三塁を狙ってタッチアウト。6回には糸原の二盗がリクエストでアウトになるなど2盗塁死、2走塁死と自慢の足も封じ込められた。

後方から足音と息づかいが聞こえている。勝利した2位巨人、ヤクルトとは5ゲーム差に縮まった。交流戦終了後の7ゲーム差から詰められている。トップを走り貯金19と大きく勝ち越していることに変わりはないが、2つの集団に分かれつつあるセ界のレース。気を緩めることは出来ない。【桝井聡】

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