虎のしっぽを射程圏に捉えた。巨人がヤクルト3連戦をスイープし、今季初の7連勝でシーズンを折り返した。同点の6回に主砲岡本和真内野手(24)が決勝の21号3ランで勝ち名乗りを上げた。先発高橋優貴投手(24)は6回2失点で同僚の戸郷に並びリーグトップタイの8勝目をマーク。連日、投打がかみ合ったペナント大本命の巨人が首位を走る阪神と2・5ゲーム差に肉薄した。

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射程圏に入ってきた1球を仕留めた。岡本和が本能のままにバットを振り下ろした。同点の6回2死一、三塁。ヤクルト先発スアレスの初球に反応した。外角高めの136キロカットボールをコースなりにバットを添えて軽々と右翼席へ運んだ。連勝街道を突き進ませる決勝の21号3ランに「(コース、球種は)全く絞ってないです。いい投手なので、見ても仕方ないですし、振っていこうと。結果がいい方向にいって良かったなと思います」と振り返った。

定点から獲物を狙う。今季ここまで全72試合で不動の4番に座る。前後の打順は状況によっての最善策で変化する中、主砲の地位だけは微動だにしない。この日は4回まで2打席連続で空振り三振も「いや、特にはなかったですね」とふてぶてしい。一方で先輩に囲まれた若大将は「やっぱり、皆さんすごい選手ばっかりで、すごく楽な気持ちで打席に入らせてもらってます」と愛らしくもある。

全方向の敵を打ち落としてきた。21本塁打は左翼、中堅、右翼の3方向に7本ずつ。無敵の大砲として君臨する。「とりあえず自分のことより3つ勝てたことの方が良かった。まだ半分終わったところ。何があるか分からない。しっかり頑張っていきます」と岡本和。縦じまをまとう虎を撃ち落とす。【為田聡史】

▼岡本和が勝ち越しの21号3ラン。肩書付きの殊勲本塁打が11本目、勝利打点は10度目となり、セ・リーグでは両部門とも最多だ。リーグ最多の66打点を記録している岡本和だが、月別の打点は3月2打点→4月22打点→5月20打点→6月22打点。2リーグ制後、巨人で3カ月続けて月間20打点以上は68年4~6月長嶋(20→22→29)01年5~7月清原(23→24→20)に次いで3人目。通算2170打点の王や打点王3度の松井がやっていない3カ月連続20打点を、今月30日で25歳の岡本和がマークした。

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▽巨人松原(前日26日は6打数無安打も、先頭打者弾を含む3安打猛打賞) 昨日のことは切り替えて、1打席目を内容のある打席にしたいと思っていた。今日何とかカバーできてよかった。