DeNA山崎康晃投手(28)が5日、マイナビオールスターゲーム2021に監督推薦で、2年ぶり6度目の出場を決めた。「非常に光栄なことですし、全国の皆様に夢を与えられるようなプレーをしたいと思います」と意気込みを語った。

ルーキー時代から毎年オールスターに出場してきたが、昨年はコロナ禍で中止となった。2年分待っているファンを楽しませる秘策がある。「ナックルボールに関しては1回、挑戦してみたいなと。技術の部分でも、一流の技術がそろった選手がいらっしゃると思うので。ナックルボールで目立ちたいなと」。三浦監督が現役時代、スローボールで目立とうとしたようにオンリーワンの一芸を披露するつもりだ。

ファンを楽しませようとする原点には、同じ地元のヒーローがいる。「すごく鮮明に残っているのは、地元の(東京)荒川の先輩でもある森本稀哲選手が仮装して出るパフォーマンスが僕自身は楽しかった」。06年の球宴で、森本(日本ハム)が漫画「ドラゴンボール」に登場する「ピッコロ大魔王」の仮装で登場した。13歳の康晃少年の心に深く刻まれたシーンとなっている。

コロナ禍は収束していないが、少しでも社会に明るさを与える使命を感じている。「こういう世の中なので、野球全体から、プロ野球全体から多くのファンの方々へ、夢を与えるプレーだったり、野球の楽しさだったりを伝えて行ければいいなと思います」。森本氏から受けた衝撃を今度は山崎が伝道師となって、次世代に受け継ぐ。

対戦を希望するのは、亜大時代に東都大学リーグでしのぎを削った吉田正尚(オリックス)だ。「大学時代からいい選手で、プロに入ってからも日本を代表する選手で代表にも選ばれていますし、対戦すること自体が楽しみです」。パ・リーグの首位打者をナックルで幻惑するシーンが見られるかもしれない。【斎藤直樹】