剛腕がうなった。全パの西武平良海馬投手(21)が、8回に5番手として登板し、1回無安打無失点と好投した。侍経験のある中日大島と、東京五輪でともに戦うヤクルト村上、山田との対戦。セ・リーグの猛者たちとの対戦も、心はブレず。「いつもとは違う景色で。いろんなタオルが掲げられて、声援もあって新鮮でした」。お祭りを楽しむ余裕があった。

同学年の村上への初球ではこの日の最速156キロを計測。「真っすぐで勝負しないと面白くない」と直球で押し続けた。最後は内角低めのスライダーで、一飛に打ち取り、侍主砲候補との真剣勝負を満喫した。

球宴に初出場も、今季はプロ野球記録の39試合連続無失点を達成。力強い直球を武器に、無双の前半戦を送り、東京五輪出場を引き寄せた。セットアッパーや、抑えとしてかかる期待は大きい。この日も、冷静なマウンドさばきだった。侍戦士たちを封じた勢いで、日の丸を背負った戦いに挑む。「オリンピックで抑えられるように調整します」。自慢の武器で世界を斬る。短い言葉に、確かな自信が見えた。【湯本勝大】