「マイナビオールスター2021」に全セで出場した阪神梅野隆太郎捕手(30)が日刊スポーツに独占手記を寄せた。第2戦は途中出場ながら、青柳とのバッテリーやファインプレーで球場を沸かせた。阪神勢の大活躍を喜び、後半の勢いにつなげることを誓った。

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前半戦頑張ってきて、ファンの皆さんと選手の皆さんに選んでもらって、本当にこの2日間、楽しめて思い出になりました。

6回にはヤギ(青柳)と、オールスターでバッテリーを組みました。ヤギ自身も思い切って腕を振るだけ、なにも考えず自分のミットに投げ込んでくれた。同時に周りを他球団の選手の方が守っていることが、オールスターならではで、すごく楽しかったです。

お祭りを盛り上げるというところでは、タイガースの選手がここぞで結果を出せたのは、本当に大きいことです。ここだけに終わらず弾みとして、波に乗って後半も戦っていきたいなと思ってます。

前半戦、首位でターンしたということに関しては、本当に自信を持っていいと思います。その中でのベストゲーム…。例えば、僕がディレードスチールしたとか(6月13日楽天戦、9回2死から二盗)、直近で言えば9回に3点差逆転してサヨナラ勝ちしたとか(12日DeNA戦、9回2死から5連打)、そういうゲームももちろん大きい。でも個人的には、勝ち方というよりも、連敗した後の1勝が大きいと思っています。

連敗してる時って、何してもうまくいかない。どこまで連敗続くんだろう、って。点をなかなか取れなかったり、逆に点をとっても結局逆転されたり。でもそんな時だからこそ、勝つ喜び、勝つ苦しさを実感します。こんなことをして、やっと勝てるんや、って。そんな思いが強かったです。

キャプテンの悠輔(大山)とは自主トレから一緒だけど、自分自身が調子の悪い時に悠輔に聞いたりしていました。逆に悠輔はどうなってますか? とかは言ってこないけど、僕が気づいたことがあれば、たわいもない会話の中で話したりしています。調子がいい時ってそのままにされる一方で、悪い時に「こうしたほうがいい」って言われると、しんどいんじゃないかなあと思う。自分自身が苦しい時もそうだったし、あまり硬くなりすぎないように。もちろん本人の感覚もあるし、ワンポイントでちょっとでも良くなったらなあ、みたいな感覚です。違う視点から、普通の会話の中でいろんな意見交換をしています。

オールスター、五輪が終わって、チームに帰ってからはまた別のもの。自分の体力、頭を整理して。その経験をもとに、後半戦のタイガースでの引き出しというものを、どんどん自分の中に作っていきたい。まだまだ勉強です。プラスにして、経験を生かして、タイガースの力になって、優勝出来るようにというところが、今の一番の目標です。(阪神タイガース捕手)