侍ジャパン平良海馬手(21)が、地元・沖縄に“2日連続”となる金メダルをもたらした。決勝戦では登板機会はなかったものの、大会通じて2試合に登板。前日6日に空手の形で、喜友名諒(31)が金メダルを獲得し、都道府県では金メダル最後の空白地が埋まりコンプリート。沖縄が二夜続けて「ありっ!」と歓喜に沸いた。

平良には秘めた思いがあった。コロナ禍で野球の練習が制限される中で「それで野球から離れてほしくない」と願っていた。1次リーグ・ドミニカ共和国戦では7回2死一、二塁のピンチで登板。遊ゴロに抑え切り抜けた。一方で同メキシコ戦では2ランを被弾した。「代表に入れてうれしいっていう誇り半分、自分の仕事ができなかった気持ち半分。その悔しさを練習にぶつけて、シーズン頑張りたいです」と本音を吐露した裏には理由があった。

侍ジャパンのユニホームを着て投げる姿を、テレビ画面を通して故郷に伝えることで「野球する人や継続する人が増えてくれたら」と、使命感に駆られ今大会に臨んでいた。金メダルを手にし「野球は身長が高くても小さくても、体重が軽くても重くても、チャンスのあるスポーツだと思うので、始める人がいたらうれしい」と呼びかけた。

表彰式では村上宗隆内野手から金メダルを掛けられ、誇らしげにテレビカメラに向けて掲げていた。