阪神青柳晃洋投手(27)が、プロ6年目で初の2桁勝利に挑む。6連戦先陣の24日にDeNA戦(京セラドーム大阪)に先発。22日に同じくリーグトップの9勝を挙げた秋山からバトンを受け「チームメートですけど負けないように」と気合十分だ。

ドラフト5位以下の2桁勝利達成なら球団初で、阪神のデータを深く掘り下げる、スカイAの人気番組「虎ヲタ」出演中の高野勲記者は、さらにマニアックな記録に注目した。

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青柳には、さらに大きな夢がある。9勝に加え、防御率1・87も現在セ・リーグ1位だ。最多勝と最優秀防御率という、投手部門の主要2冠も射程に入れている。同一年にこの2タイトルを獲得したドラフト入団投手は、阪神では03年井川慶1人だけ。それ以前の37年秋の西村幸生(15勝、1・48)44年若林忠志(22勝、1・56)そして64年バッキー(29勝、1・89)と合わせ、総計4人しかいない。村山実、小山正明、江夏豊といった往年の名投手も手が届かなかった快挙だ。

球界全体で見ると、この2部門を同時に制したドラフト入団投手は24人、29度。青柳のように5位以下での入団に限ると、93年山本昌(中日5位=当時は昌広)08年岩隈久志(近鉄5位)そして昨年の千賀滉大(ソフトバンク育成4位)の3人しかいない。

22日の中日戦では、同僚の秋山が青柳と並ぶ9勝目を挙げた。この2投手が、最多勝を分け合う可能性も十分だ。同一球団から最多勝投手が複数出た例は、昨年のソフトバンク石川、千賀など4度のみ。阪神で実現すれば初となる。両右腕が競い合って勝ち星を伸ばせば、16年ぶりの優勝も見えてくるに違いない。

◆虎ヲタ~知ればアナタも人気者~ 阪神タイガースをデータから読み解く、新感覚の野球情報番組。増田英彦(ますだおかだ)関本賢太郎(阪神タイガースOB)高野勲(日刊スポーツ記者)がレギュラー出演。8月は「岡田彰布 選手編」。9月は「岡田彰布 監督編」。放送予定はスカイAのホームページで。