台湾の「大王」が「満塁男」を襲名だ。日本ハム王柏融外野手(27)が、技ありの一打で好投するルーキー伊藤を強力アシストした。4回無死満塁で迎えた第2打席だった。「最低でも外野フライ、1点でも取ろうという意識で打席に入りました」。1ボールからの2球目、西武本田が投じた低めの142キロ直球を、腰を回転させ、きれいに打ち返した。打球は右中間を真っ二つに破る、走者一掃の先制3点適時二塁打。「ファーストストライクをしっかり捉えることが出来て良かったです」と、涼やかに振り返った。

28日西武戦(メットライフドーム)でも、満塁機に2点二塁打を放ち、さらには7号ソロアーチと乗っている。2夜連続で満塁機をものにして、これで満塁機は11打数6安打16打点で、打率5割4分5厘。長打率は8割1分8厘にのぼり「満塁男」ぶりを発揮している。後半戦再開後は当たりが止まっていたが、ここへ来て目の覚めるような活躍。栗山監督は「ちょっと感じが戻ってきたね」と、一安心だ。

練習熱心なのは、昔から。王は「いい感触を体に染み込ませられるように練習をしています。練習するだけです」。おごることなく、残り試合を見据えた。