乗り越えろ。広島が投打で詰めの甘さを露呈し、DeNAに連敗を喫した。先発した高卒2年目玉村は立ち上がりと、球数が100球に達した6回にいずれも2失点。5回2/3を投げて9安打5失点で5敗目を喫した。11安打も10残塁でわずか2得点とつながりに欠いた打線では、20歳林は終盤に代打を送られた。4連勝から一転して連敗のチームだけでなく、今季台頭した若手も大きな壁に直面している。

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初めての経験だった。玉村は6回2死一、二塁で踏ん張ることができなかった。8番大和に左前適時打を打たれた。さらに代打楠本に左前に痛打された。試合の流れを完全にDeNAに渡した。プロ入り初のイニング途中での降板。4試合連続で達成していたクオリティースタートならず、5敗目を喫し、20歳左腕は肩を落とした。

佐々岡監督 何とか粘り強く投げていたんですけどね。6回はちょっともったいなかったかな。2死(一塁)から牧への四球というのはね。そこでしっかり粘り強く投げていれば6回3失点というところだったんですけどね。

打線を活性化させてきた若手野手も、壁にぶつかっている。三塁の1番手として先発出場を続ける20歳林は7回の打席で代打が送られた。佐々岡監督は「内容などを見て。攻撃していかないといけない。左(投手)というところもあったので、当然、点を取りにいかないといけないところですから」。この日は好機での併殺を含め2打席凡退。8月28日阪神戦の4打席目から11打席連続無安打となった。

同期の21歳小園は前日8月31日、1点を追う9回無死一、二塁からスリーバントが失敗となり、代走が送られた。8月以降は打率2割3厘。8月以降1割6分1厘の林とともに、苦しんでいる。経験の少ない若手は、時に爆発的な力を発揮するものの、安定性に欠け、失敗もつきもの。チームの勝敗を背負わせるわけにはいかない。

チームは4連勝から敵地で連敗。最下位に沈む。残りの試合も目の前の試合を全力で取りにいく姿勢を崩さない、佐々岡監督は若手に奮起を促す。「1年間通して出たことがないところで、経験していかないといけない。波を小さくしないといけない。レギュラーになっていく道だと思う」。若手だけではない。チームも同じ。首脳陣が明確なビジョンと道筋を示して、この壁を乗り越えていかなければいけない。【前原淳】

▽広島玉村(6回途中降板に)「ここが正念場かなと思って挑んだ中で、ああいう形でズルズルといかれてしまった。そこは実力不足。踏ん張らないといけないところで、1本打たれた。まだまだかなと思う」