今年のドラフト候補に挙がるBCリーグ・埼玉武蔵ヒートベアーズの長尾光投手(19)が、明桜(秋田)の後輩、風間球打投手(3年)に対し「風間よりも球速は遅いけど、変化球は負けていない」とライバル心を燃やした。

巨人3軍を相手に先発。先頭打者のウレーニヤ内野手に高めの直球を本塁打されるも「初回だったので、力みが失投につながってしまった」とすぐに修正。キレのいいスプリットとスライダーを織り交ぜ後続をピシャリと抑えた。3回には、再びウレーニヤを迎えると「次は絶対に打たれない」とギアを入れ直し、キレのいいスライダーで三ゴロに仕留めた。4回を投げ2安打4三振1失点。「ホームランを打たれたけど、その後はよかった」と自信を見せた。

今春、明桜からBC・埼玉に入団し、わずか8カ月で成長を遂げた。「真っすぐに自信がつきました」と胸を張る。高校時代「速い球を投げたい」と、最速163キロ右腕として注目されたロッテ佐々木朗希投手の投球フォームをまねた。セットから足を高く上げ、右肘を右肩の辺りまで上げてから腕がしなるように出てくる。BC・埼玉入団後、一度、フォームを改造し試行錯誤の後、再び「佐々木朗希フォーム」に戻し練習。細かい制球を意識して投げることでキレが増した。「球速は最速147キロから変わっていないのに、キレが増したことで速く見えるようになり、勢いがつきました」と手応えをつかんだ。

この試合、6球団7人のスカウトが視察。DeNAの河原スカウトは「真っすぐとスライダー、スプリットの駆け引きがうまい。そのコツを持っている投手はなかなかいない」と評価。後輩の風間はこの日、プロ志望届を提出した。長尾は「今年、もし自分が指名されれば、風間と同時にプロに行ける。一緒に行きたいですね」と熱望。昨年はプロ志望届を提出するも指名されず。「1年でも早くプロに行きたい」とBCリーグを選んだ。「NPBでプレーして将来はメジャーでプレーしたい」。大きな夢を抱き、この秋、再びドラフトに挑戦する。