「チカ」の次には「ナカ」がいる。阪神ドラフト6位中野拓夢内野手(25)が、100安打に到達した。2-2の8回1死。中日又吉から左翼線へ二塁打を放ち、球団新人では19年近本以来の大台。新人王を争うDeNA牧が9日に100安打を記録しており、今季の新人では2人目だ。

「意識はしてなかったですけど、まずは3桁という数字を乗せることができたのはうれしく思うので、1本ずつ積み重ねていきたいと思います」

3回には近本の先制打に中前適時打で続いており、今季26度目のマルチ安打をマーク。「チカさんが打ってくれることによって、自分も気楽に打席に入れました」と「チカナカ」コンビの息はぴったりだ。

社会人で2年間プレーした三菱自動車岡崎・野波尚伸監督(50)の“予言”も的中した。5回までの3打席をテレビで確認した同監督は「これは100安打、打ちますよ。あいつがいやらしいプレーをしたら、乗ってくるんです」。8回は果敢に二塁を陥れ、恩師の言葉通りに「いやらしい」走塁をみせた。三菱自動車岡崎はこの日に都市対抗東海予選の初戦に勝利しており、虎の背番号51も負けていられなかった。

5回には今季12個目の犠打を決め、2番の仕事もばっちり。「クリーンアップにいい形でつなげることも自分の役割。これからもその役割を果たしていきたいと思います」。また次の1本を積み重ねていく。【中野椋】

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