オリックス山本由伸投手(23)がリーグ単独トップの15勝目で、チームの連敗を2で止めた。味方の好守にも助けられ、8回7安打9奪三振2失点。球団単独4位となる12連勝で、防御率も1点台(1・50)を維持。奪三振(174)も合わせ投手3部門のトップに立つ。負ければ首位ロッテが遠のく試合で、「最強右腕」が粘り抜いた。

「昨日落としていたので、今日は絶対に落とすわけにはいかないなと思っていました。チームの成績がすごく気になるというか、意識しているので。とにかく勝ちたいですね」

連敗を止めたい一心で腕を振り続けた。1点リードの8回2死一塁。茂木の右翼線への安打で、岡島は一塁からホームに突進してきた。本塁カバーに走る山本が、目を見開く。右翼杉本からの送球を、二塁安達が捕手の若月に完璧に中継。岡島の突入を封じた。勝負をかけた楽天はリクエストを要求も、判定は覆らず。「本当に最高のボールが来てました」。窮地を救ってくれた守りに、頭を下げた。

エースの責任感、優勝への渇望が連勝を支える。さらに快眠効果も、23歳を助ける。疲労回復のため、ベッドのマットレスと枕はイタリアの寝具ブランド「マニフレックス」を導入。「眠りが浅くて、よく夢を見てしまう」悩みを、新しい相棒を得て克服した。技術向上の練習も、生活をともにする用具も、自分で考え、自身の最良を選ぶ。

お立ち台では、難病に苦しみ、今季限りで引退する西浦を思った。「西浦が最後のシーズンになってしまうので、現役最後のシーズンを優勝で終えられるように精いっぱい頑張りたいです」。惜別の思いを、無双の投球で山本は現実にする。【堀まどか】