左太もも裏の筋損傷で2軍調整を続けていたオリックス吉田正尚外野手(28)が出場選手登録され、楽天戦で同点の9回に1死一塁から代打で登場した。

宋家豪の150キロを捉え切れず左飛に終わってチームはそのまま引き分けたが、28日からの首位ロッテとの3連戦(ZOZOマリン)を前に中心打者が復活した。

「代打、吉田正尚」のコールに上がった大歓声。「ケガして悔しい思いもした。武者震いしているような感覚です」。ファンの声に、再出発を実感した。

3日のソフトバンク戦で負傷し5日に戦線離脱も、今季をあきらめるつもりなど毛頭なかった。「1日でも早く治すために最善を尽くしてきた」。緊急昇格でサヨナラ打を打った大下や3番を務める紅林らの死に物狂いの活躍に、自身も前だけを見た。首位を目指す熱気を必ず共有してみせると、けがを克服した。

3ゲーム差で追うロッテ戦に向けて、「あとは本人のGOサインですよね」と中嶋監督。先発復帰などフル参戦は体調を見極めての判断となるが、吉田正の思いは1つ。「全部勝つつもりですが、なんとか首位を入れ替われるような3試合にしていきたいなと思います。最後はみんなと喜び合いたい」。3連勝すれば、勝率で2位でもゲーム差はゼロ。決戦で、主砲復活の結果を出す。【堀まどか】