巨人の自力Vが消滅した。14年ぶりに中4日で先発した山口が3回に大山に看板直撃アーチを食らうなど3回途中で降板。8回に1点差に迫ってなお2死一、二塁で、北村に代打中田で勝負に出たが三ゴロに屈した。残り21試合で自力優勝が消えた現実を、原監督は「心構えとしてはまったく変わらない状態で明後日からも戦うというところですね」と冷静に受け止めた。

勝ちパターンに持ち込めない。先発ローテを5人で回す今月は22試合中12試合で先制を許し、2勝6敗4分け。今季の3点差以上の逆転勝ちが1試合なだけに、追加点を許せない緊張感が制球をさらに狂わせる。原監督が「いずれにしてもちょっと四球が多いよね」と指摘したように、3失点の5回は4四球。無駄な走者を許して傷口をさらに広げている。先制必須の現状は、攻めにも焦りを生む。2回1死二塁、二塁走者丸が遊撃手正面のゴロに飛び出して走塁死。先の塁を狙う姿勢が判断を狂わせた。

1点差まで迫ったが、結果的に守護神で逃げ切られた。上位との差を縮めるべく臨んだ伝統の一戦で2敗1分け。投打を立て直して悪循環を断ち、燕と虎に再接近する時間はまだ残されている。【浜本卓也】