ドラフト戦線に名乗りを上げる。東北福祉大の大里昂生内野手(4年=盛岡大付)が宮教大戦に「3番三塁」で先発。0-0の1回1死一塁で迎えた第1打席で開幕から3試合連続安打をマーク。さらに、2四球を選ぶなど4出塁で2盗塁も絡めて2得点と存在感をアピール。18年春から続く7季連続リーグ制覇へ、チームは3連勝スタートを決めた。

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無心でラストシーズンを駆け抜ける。プロ志望届を提出した大里が、開幕から3試合連続安打をマーク。0-0の初回1死一塁。カウント0-1からの2球目。右足をグッと踏み込み、緩急を駆使する相手投手の緩い直球を捉えた。打球は一、二塁間を破って好機を演出。この回、2点を先制する起点となった。「状態は悪くない」とうなずいた。3回と9回で計2四球も選び、「ゾーンで分けながら、浮いた球を狙うようにしている。低めの球はタイミングを取って、振りにいって止まる感じ」と抜群の選球眼で1球1球を見極めた。

不測の事態にも動じず、心身ともにリフレッシュした。チームは8月中旬からコロナ禍の影響で約1カ月間の活動自粛。選手は寮に缶詰め状態になった。大里は「ずっと映画を見ていました」と明かした。よく見ているネットフリックスで洋画を中心に、アクションコメディーやホラーなど、1日に2、3本は鑑賞していたという。「練習ができなかった期間があった中で、今は良い状態にあると思う。リラックスして臨めている」。“おうち時間”を有意義に過ごし、秋本番へとつなげた。

同僚には、ドラフト上位候補に挙がる最速154キロ右腕・椋木蓮(4年=高川学園)がおり、開幕戦では11球団26人のスカウト陣が集結した。この日もNPB複数球団の視察を受けたが、「意識しないようにしている。目標はプロ野球選手だけど、大学最後のリーグ戦を楽しみたい」と平常心を貫く。

ここまで3試合に先発し8打数4安打で打率5割。四球はすでに6を数えて、出塁率7割1分4厘。上々の好スタートも、満足感は一切ない。「持ち味は勝負強さなので、チームが勢いづく打撃をしていく」と力を込めた。リーグ7連覇、その先のプロ入りを目指し、無我夢中で白球に食らいつく。【佐藤究】