中大・古賀悠斗捕手(4年=福岡大大濠)が、ドラフト前最後の試合で1発を放った。初回2死走者なしで、亜大・松本健の外寄り144キロを逆方向の右中間へ放り込んだ。「秋は負け続けていて、自分も1打が出てなくて。今日は打てて、チームが勝てたことが何よりうれしいです」と人懐っこい笑顔で喜んだ。

今春は国学院大と優勝争いしたが、この秋は、ここまで1勝のみ。0封負けが3試合と、苦戦が続いていた。古賀自身も春の打率3割4分1厘が1割台前半と苦しんでいた。全てのモヤモヤを振り払う1発となった。捕手としても、2年生右腕の石田裕を好リード。「亜大打線は粘っこく、2ストライクと追い込まれても何とかしてくる。そうされる前に当ててもらって、内野ゴロで打ち取ろう」と狙い通り打たせて取り、99球の完封勝利を引き出した。

この日は、夕方5時からドラフト会議が行われる。上位候補に挙げられる古賀は、前日に散髪。身だしなみを整えた。「チームが勝てなくて、自分も悩んでいて、どうしたらいいかと。勝ててホッとしています。ドラフトまではホッとした気持ちを味わって、夕方、また切り替えます」と明るく話して、球場を後にした。