パ・リーグはオリックスが25日に最終戦を終え、優勝の行方はその後3試合を残しているロッテの結果次第という史上まれに見る接戦となっている。

オリックス宮内義彦オーナー(86)も、25年ぶりの“そのとき”を心待ちにしている。球界の名物オーナーの語録を振り返る第8回は、10年から指揮を執った岡田彰布監督の2年目以降に対して。成績はなかなか好転しない状況に怒りの“名語録”が生まれた。

【2011年】▽2月11日 宮古島キャンプを視察。エース金子千が右ひじ手術で開幕絶望となったが「他の選手が刺激にして、なんとかチームのプラスにしてほしい。とにかく、今年のチームはかなり楽しみ」と熱く語った。

▽3月21日 3月11日に東日本大震災が起き、開幕が遅れる事態を受けて「我々も神戸の震災では被災地の復興の一助にという思いでプレーし、ファンからよくやったと言ってもらった。国民に『プロ野球は元気づけてくれる』と思われるような行動をしないといけない。難しい日程ではあるがやり切れると思う」とコメントした。

▽5月23日 2日連続で東京ドームを訪れ、今季2度目の連勝を見守った。チームは最下位に低迷しているが、2死からの山崎浩の1発に「野球には意外性があるね。野球は面白い」と満足げ。

▽8月3日 低迷打破で球団は投手コーチを配置転換。オーナーも試合観戦後に配置転換に触れ「勝つために何がベストかは難しい。でもこれがベストだという考えでやりました」と語った。

▽9月13日 阪神久万オーナーの訃報に「関西に本拠地をおく球団として互いに切磋琢磨(せっさたくま)してきました。球団オーナーとして、長年に渡りプロ野球発展のため、大変尽力されていました。ご冥福をお祈りいたします」とコメント。

▽10月7日 2位日本ハム、4位西武と上下とも3差の3位でシーズン終盤を迎え「今は勝てということ。残り8試合となればトーナメントだね。監督以下、目の色を変えて全力を尽くしているのはよく分かる」と期待した。

▽同25日 横浜の球団譲渡交渉に関し、初めて見解を示した。オーナー会議と実行委員会での球界参入の議決見通しについて「新しいオーナーの考えを聞かせてもらったら、皆さん一致した考えが出るのでは。どういう考えで球団を持ち、既存のチームとどのような協調関係をつくり、日本のプロ野球、あるいは野球のためにどんなことをお考えなのか聞かせてもらった上で、仲間として一緒にやりましょうということであってほしい」と語った。

▽12月1日 DeNAの球界参入に「これから一緒に頑張っていきましょう。1社反対されましたが、みなさん納得されたんじゃないでしょうか」とコメント。

【2012年】▽1月27日 パのオーナー懇親会に出席し、3年契約の最終年を迎えた岡田監督への信頼を口に。「クビにするかっていうの? 全く考えてない。ははは」と豪快に笑い飛ばし、優勝への期待を質問され「もちろん、もちろん」とうなずいた。

▽2月12日 新主砲の李大浩(イ・デホ)が紅白戦で2打数2安打1打点。前日11日の実戦デビューから4打数4安打の打率10割に「ナイスガイ。自身たっぷりやわ。4打数4安打はすごい」とべた褒め。

▽4月28日 最下位西武にゲーム差なしに詰め寄られ、借金も今季ワーストタイの5。ふがいない試合に「調子が出ないのか、弱いのか。どっちかな。今日のゲームはひどいね。勝つ気がなかったんちゃう。(先発の)西もひどいし、ベンチもひどい。ああいうゲーム運びをしたらいかんわ。守備もひどいわ」と怒りが爆発。3失策が出るなど、いいところなく終わった敗戦には「今日のゲームを見ていると気力やな。今日は腹立った」とおかんむりだった。

▽5月20日 李大浩の本塁打などでヤクルトに快勝し「やっと底から脱出できたなあという感じですか。まだ故障者も多い。しんどいのが続きますが、頑張ってもらわないと」とごきげんだった。

▽同27日 DeNA戦の大勝を喜び「なかなかいい勝ちっぷりだった。(相手に)申し訳ないね。来週は上位チーム(中日、巨人)と当たるので気を引き締めていかんと」と笑みを浮かべた。

▽6月8日 金本の逆転3ランで阪神に敗れ「あきませんなあ。阪神ファンを喜ばせようと思ってこういう試合をしたんじゃない? ははは」とジョークを飛ばした。一方、1得点の打線について「チャンスで打たないとねえ」とこぼした。

▽7月3日 球団後援会とともに日本ハム戦を観戦し、6-3の勝利に「連打があって気持ちいいね。こういうゲームをやっていけば、まだまだ上がっていく」と笑顔を見せた。「(後援会に)私がゲキを飛ばされました。まだ決まっていない。まだ70数試合ある。これからが本当の夏の陣。まだまだわかりませんよ」と期待を膨らませた。

▽8月24日 クライマックスシリーズ(CS)進出をラスト34試合のノルマに設定。村山球団本部長を通じ、岡田監督へ「まだゲームがあるんやから、少なくともCSに出られるように、頑張ってくれ」と伝言を託したが、西武に力負けしワーストタイの借金17を抱える結果に。試合後は、チームの現状について「苦しい」とだけ話して、帰りの車に乗り込んだ。

▽9月22日 岡田監督の休養が発表され、事実上の退任決定に「結果に対しては残念。チームに対するいろんな厳しさや、野球に取り組む姿勢を教えていただいた」とのコメント。

▽10月8日 森脇監督代行の来季監督就任が発表され「オリックスが阪急を買収した際(88年)に非常に強いチームで、日本一にもなった。ジリジリとチームの力が弱くなっている。6位に落ちた。長く、下り坂には耐えられない。もとの姿、強い伝統のあるチームに戻してほしい」と、絞り出すような口調で常勝軍団復活を熱望した。

【人生に役立つ名言連発?宮内オーナー語録まとめ】>>