ラオウが、後輩に強権を発動した。25年ぶりのリーグ制覇から一夜明け、チームは京セラドーム大阪で全体練習を行った。杉本裕太郎外野手は青学大の後輩吉田正にポストシーズンの共闘をあらためて呼びかけた。2日ソフトバンク戦の死球による右尺骨骨折で懸命のリハビリ中。「後輩なんで、治ってなくても出ろよ、という感じなんですけどね」と、笑顔を浮かべながら早期復帰を促した。

日本一への挑戦に、吉田正不在は考えられない。杉本は「正尚が帰ってきてくれると信じて。アイツが帰ってきてくれたら、もっと強くなると思うので。それまでみんなで頑張ろうと思います」と最初こそ“待ち”の姿勢でいたものの、いざとなれば先輩の強みで“強制出場”に踏み切らせる考えを示した。

吉田正は「毎日やれることを精いっぱいやって11月10日、何とか帰ってこられるように。戦う準備をして戻れたら、と思っています」と、ファイナルステージ開幕日の復帰に照準を合わせる。杉本も、シーズン終盤で戦線離脱した後輩の無念を思い、1日も早い全快を祈る。青学大3・4番コンビ復活というラオウの願いが通じるか。2人の上下関係にも注目だ。【堀まどか】

○…杉本が、球団OBのマリナーズ・イチロー会長付特別補佐の期待に応じる。同氏は前日27日、球団を通じて祝福と日本一を願うコメントを発表。杉本は「なかなか優勝したくてもできない年が続いたというか、そういう先輩方の思いを晴らすことができてうれしいなと思いました」と思いを受け止めた。