国学院大が2季連続3度目の優勝を飾り、同校史上初の春秋連覇を達成した。東都1部での連覇は、17年春から3連覇した東洋大以来。最終戦の先発を任された坂口翔颯(かすが)投手(1年=報徳学園)は、中大を相手に5回0/3を5安打1失点と試合をつくり、負けなしの6戦5勝で最優秀投手に輝いた。MVPには、オリックスから3位指名された福永奨捕手(4年=横浜)が初めて獲得。東都代表で明治神宮大会(11月20日開幕)に出場する。

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福永主将からウイニングボールを受け取った鳥山泰孝監督(46)は、満面の笑みだった。「戦国東都」連覇は、同校初。20季ぶりに制した今春は強力打線が武器だったが「秋は、チーム力で勝ち取ったと思う」と胸を張った。

重圧のかかる最終戦は、坂口が先発。毎回走者を出しながら粘り強く投げ、6回途中1失点。最優秀投手に輝いたが「自分だけの力で取ったとは思っていない。チームメートあってのタイトル」と喜びは控えめ。入寮の際には、兵庫から両親と大学の近くに前泊して一番乗りにこだわった負けん気の強さの持ち主が、今秋は6試合に先発し5勝とブレークした。

1年生が思い切り腕を振れたのは、頼れる4年生の先輩がいたから。初回2死一、二塁で、瀬戸成一郎外野手(4年=鳥取城北)が右中間を破る二塁打を放ち2点を先制。鳥山監督が「追い詰められた状況の方が、今年の4年生はやってくれるとコーチと話していた。まさに願い通り」と感謝する働きだった。メンバー外を含めて仲がよく、4年生だけのミーティングを重ねて練習態度や寮生活を見直してきた。グラウンド内外でチームをけん引する福永は「今日を全力で戦おうと言っていた。全員野球がつながった結果」と胸を張った。【保坂恭子】