一振りで試合を決めた。中央学院大は秋広涼太内野手(4年=二松学舎大付)の代打逆転二塁打で準決勝進出を決めた。巨人・秋広優人内野手を弟に持つ左の代打の切り札は、大学で野球を引退する予定。現役最後のシーズンで躍動を見せている。

0-1と1点ビハインドの7回裏1死満塁。フルカウントと追い込まれながらも、右線へ持って行った。秋広は「足がガクガクでやばかったです」と緊張の場面だったことを明かした。それでも「表に本塁打で先制を許して重い雰囲気だったので、自分が決めてやろうと思ってました」と強気を心掛けていた。

代打要員だが、決して調子が悪いわけではない。菅原悦郎監督(60)は「一打席勝負の練習をずっとさせてました。2年前のこの大会、秋広の三振で終わったんです。だからこそ、ここぞの場面で起用したかった。雪辱が果たせたと思ってるんじゃないですかね」と感慨深げに話した。これを受け秋広は「思い入れがありました。2年前も去年も三振してたので」とリベンジに燃えていた打席だった。

『弟の優人に負けてないところ』を聞かれると「ほとんど負けてると思います。当たったらすごい飛びますし」と実力を認めた兄。しかし、勝負強さの一面では引けを取らない。