最も警戒していたはずの負け方だった。緊急登板したロッテ東妻勇輔投手の初球。オリックス杉本に完璧にミートされて柵を越された。前夜の8回は外角で空振り三振に仕留めたスライダーが、真ん中に吸い込まれた。井口監督は「入り方。シーズン中もああいうことがいっぱいあった。東妻の課題かなと思います」。美馬が降りた後、あまりに一瞬で均衡が崩れた。

杉本の今季32発のうち、13本をロッテ投手陣が献上した。井口監督はファイナルステージの戦い方として「今年は1人にいっぱい打たれている」「甘く入ったところでホームランが多い」と言っていた。だが2戦目にして、9人目の被弾投手がうまれてしまった。

打線は2日間で18イニング無得点と、投手陣をカバーできないでいる。マーティンは計8打席で5三振、空振りが12度あった。「外国人も決めようとして振りすぎている。うちはつながりで勝ってきたチーム。それができていない」。

田嶋に上位3人を完全に抑えられた。走者を出した回は4度あったが、二塁を踏めなかった。開幕から数えて田嶋には4敗目。やり返すはずが、シーズン中と同じ投手に抑えられ、同じ打者に打たれた。「明日? 勝つしかないんじゃないですか」。4連勝しか、シリーズ突破の道は残されていない。【鎌田良美】