ポスティングシステムを利用して、メジャー挑戦が決まっている広島鈴木誠也外野手(27)が19日、今季のア・リーグ最優秀選手(MVP)に選出されたエンゼルス大谷翔平投手(27)との再戦を心待ちにした。同学年の二刀流での快挙に刺激を受けつつ、16年日本シリーズで日本ハム時代の大谷に完敗した借りを返すべく、静かに闘志を燃やした。

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鈴木誠が、海の向こうでの快挙達成に最敬礼した。日本時間の午前に大谷のア・リーグMVPが発表され、マツダスタジアムにトレーニングに訪れた主砲は「すごいこと。僕が言わなくても、能力が高いことはみんな分かっている」と改めてリスペクトした。

投手、打者の両方で結果を残した同じ27歳の大谷の取り組みに感銘を受けている。「僕は1年間ケガなくプレーをしたことが信じられない」と目を丸くした。「時差や長距離の移動がある中で、野手の練習と投手として必要なことをすべてやっている。これは食事や睡眠を含めて生活のすべてを野球に注がないとできることではない」とうなった。

鈴木誠は16日にポスティングシステムを利用してメジャーに挑戦することを表明したばかりだが、MVP大谷との再戦を心待ちにした。唯一の対戦は16年の日本ハムとの日本シリーズ第1戦で、鈴木誠は先発した大谷の前に四球、空振り三振、空振り三振だった。「全然ダメだった」と当時を振り返り、「まず僕がメジャーに行けるかどうか分からないですけど、もし対戦できればバットに当てたい」と控えめにリベンジを誓った。

メジャー挑戦に向けて来週にもNPBへ申請手続きを行う見込みだ。大谷は15日に都内の日本記者クラブで会見した際、鈴木誠について「おそらく今のプロ野球の中では頭1つ抜けてるくらいのバッター。対戦する機会があれば、それはそれで楽しみですし、やってみたいかなっていうのもあります」と話していた。実現となれば日本のみならず、全米の注目の的となることは必至。日本を代表する2人が、野球で世界を盛り上げる。【古財稜明】