結果は黒星だったが、充実のマウンドだった。オリックス宮城大弥投手(20)は、ヤクルト打線を相手に8回途中5安打1失点と奮闘した。

6回1死までは完全投球で「全体的にはバランスよく、良い感覚で投げられた」と手応えを示した。

この日の112球は「2段モーション」を封印。CSファイナルでは登板機会がなくシーズン最終登板した10月21日西武戦以来、1カ月ぶりのマウンドでニュースタイルを披露した。初体験の頂上決戦には「テレビで見るよりもずっと緊張。いろんな声がすごく力になった」と収穫もあった。

6回2死一、二塁のピンチで青木を三ゴロに仕留めると、バットを拾ってボールボーイに手渡した。シーズン中でも数回、見られた光景で「目の前に落ちていると、拾うのが普通だと思っています」とマウンド上でも冷静で礼儀正しい20歳左腕だ。

ただ、バットを拾った青木から8回2死一、二塁で決勝中前打を浴びた。2球目の内角直球で詰まらせたが、打球はセンターの前にポトリ。宮城は「青木さんというより、その前の打者。四球と連続安打で走者を出してしまった」と反省した。

この敗戦で18年から続いていたパ・リーグの連勝は13で止まった。これで1勝1敗。日本シリーズはまだ続く。試合後、宮城は「今後に絶対生きてくる内容だった」と巡ってくる次回登板に、気持ちを備えた。【真柴健】

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