ホンダ熊本(大津町)が、悲願の初優勝にあと1つと迫った。1年目の4番古寺宏輝内野手(23=関東学院大)のソロでセガサミー(東京都)にサヨナラ勝ちし、02年以来2度目の決勝進出を決めた。ここまでの4試合すべて1点差で勝利しており、渡辺正健監督(52)は「選手全員が役割に徹して、仕事をしてくれている。それが結果に出ている。選手を褒めたい」と話した。

同点に追いつかれた直後の9回裏、先頭の古寺が、カウント1-1からの3球目、高めのチェンジアップをとらえ、打球はバックスクリーンへ。劇的なサヨナラ弾となり、大きくガッツポーズ。チームメートの待つホームへ笑顔で飛び込んだ。「まじやばいっす!(球は)何も狙っていないです。来た球を思い切り振りました。行ったー!と思いました」と喜びを表現した。

普段は抑えの片山雄貴投手(28=駒大)が先発を任され、被安打8の1失点、119球で完投。1点リードで迎えた9回2死からソロを浴びて同点に追いつかれ「野球の9回の恐ろしさ、アウトの1個の重さを感じた」。マウンドにしゃがみ込んで悔しがったがすぐに気持ちを切り替え、逆転は許さなかった。サヨナラ勝ちの瞬間は、延長タイブレークに備えてベンチ裏におり「ベンチが騒がしくて、外に出てみたらホームランでした。正直、うれしい気持ちでいっぱいです」と喜んだ。