俺も主軸候補だ! 阪神井上広大外野手(20)が10日、大阪・大東市の成人式に出席し、「輝超え」を誓った。

高卒2年目の昨季はファームで4番を任されたが、8月の負傷で戦線を離脱。3年目の目標として、佐藤輝が1年目に記録した24本塁打以上を掲げ、外野のレギュラー奪取とともに大ブレークを果たす。

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井上がハタチの門出に、高卒3年目の大ブレークを誓った。地元で成人式に出席し、小中学校の同級生と再会。「広大、頑張れよ!」と何度も声をかけられた。友人の期待を胸に、今季に向けて決意をにじませた。「自分の中では奪い取る、が一番かなと思う。去年はケガをしていない間は、自分である程度、自信がついたところもあったので、自分の力で取っていくしかない。ホントに、勝負だなと思います」。

まだ1軍で1本も本塁打を打っていないが、具体的な数値目標を問われると、豪語した。「昨年の輝さんの数字を目指して、がんばります。(24本)以上!」。昨年は8月に負傷離脱するまで9本塁打を記録。自信は芽生え、佐藤輝が1年目に記録した24本塁打が目指すべき数字になる。昨年は50打点でファーム打点王に輝き、勝負強さも自負する。「自分は(走者を)かえすバッターなので。打点というのは一番意識してやりたい。昨年のファーム以上、50以上は残したい」と言い切った。

24発&50打点以上の成績をクリアするには、レギュラー奪取が前提条件だ。右翼を主に守った佐藤輝が三塁の守備にも挑戦することで、外野のポジションが1つ空く可能性がある。「自分が1つに特化してやれるのであれば、ライトでもレフトでもというのは考えています」。ロハスやベテラン糸井らがひしめく外野争いでも、つけいる隙はあると考える。

昨年の春季キャンプでは、主軸候補として野手最年少で1軍キャンプに参加。2軍スタートだったが、主に4番に座る英才教育で成長を見せた。8月に脛骨(けいこつ)を骨折したが、「大丈夫です」と回復に手応えを見せる。「これだけ動けますというのは、大前提だと思う。その中で、打撃練習だったり、守備練習でも今年のテーマでもある“イチ”を大切にして、1球目、1打席目を大事にしてやっていきたいなと思います」。昨季はヤクルト奥川やオリックス宮城、ロッテ佐々木朗といった同世代が台頭。井上も4番で夏の甲子園優勝に貢献した実績がある。虎の大砲候補が「成人の誓い」を現実のモノにする。【三宅ひとみ】

◆井上広大(いのうえ・こうた)2001年(平13)8月12日生まれ、大阪府出身。履正社3年夏の甲子園決勝星稜戦で本塁打を放つなど、優勝の立役者に。19年ドラフト2位で阪神入団。1年目の20年に1軍デビューを果たして6試合出場し、10月16日ヤクルト戦で初安打も記録。2年目の昨季は2軍戦68試合に出場し、チーム最多の9本塁打。188センチ、95キロ。右投げ右打ち。

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<阪神井上の2021年>

◆1軍キャンプ初抜てき 高卒2年目で沖縄・宜野座キャンプメンバー入り。練習試合では3試合連続で4番に起用された。

◆ノックで左膝を打撲 キャンプ終盤の2月23日、通称「DEATH(デス)ノック」に志願参加も打球に飛び込んだ際に左膝を強打。左膝打撲と診断された。

◆開幕2軍スタート 3月30日の2軍オリックス戦(鳴尾浜)で代打で今季初出場。翌日からスタメン出場。

◆左肩違和感 6月2日の2軍オリックス戦(鳴尾浜)でスイングした際に左肩に違和感を訴えた。

◆五輪中断中のエキシビションマッチに出場 8月6日のオリックスとのエキシビションマッチ(京セラドーム大阪)に、7番右翼でスタメン出場。2回2死三塁から左腕宮城のカーブを左前へ決勝打となる適時打を放ち1軍アピール

◆骨折 8月20日2軍ソフトバンク戦(タマホームスタジアム筑後)の8回に二塁走者として三塁ベースをまわった際に負傷し交代。右脛骨(けいこつ)骨折と診断された。7月11日2軍中日戦(ナゴヤ)からこの日まで17試合連続安打中での故障となった。

◆打点王 2年目は2軍で68試合に出場。打率2割6分7厘。50打点を挙げ自身初タイトルとなる打点王を獲得。9本塁打はチームトップだった。

◆現状維持 12月21日、現状維持の720万円で契約更改した。(金額は推定)