中日平田良介外野手(33)が18日、愛知・豊田市内のトレーニング施設で行っている自主トレを公開した。昨年は打撃不振に加え、異型狭心症も発症。出場21試合に止まり、年俸も1億5000万円の大幅減となる3000万円(金額は推定)となった。厳しい状況に立たされたプロ17年生は病気と向き合いつつ、体幹強化と走り方改革で再起の道を切り開く。

「昨年の病気があったので、どこまで心拍数を上げていけるのか、負荷をかけていけるのか確認すること。走り方で股関節をしっかり使えるようにすること。体幹を強くしてそれを使うことで野球につなげていくこと。これが自主トレのテーマです」。3つのテーマを掲げた平田はその言葉通り、病気対策としてヨガを新たなメニューに導入。昨年に続く体幹強化メニューにも時間を割き、社会人野球でコーチ経験のある松久孝弘ストレングスコーチ(53)の指導で走り方も修正するなど、ハードメニューを次々とこなした。

昨夏に発症した体調異変は「人生の中で味わったことのないことを体感した。命をかけてやるとか、軽々しく言えなくなりました」と振り返るほどの大きな出来事となった。今も定期的な通院は続いているが「だいぶ回復しました。医師からは運動していいと言われています」と野球に専念できる環境は整いつつあることを明かした。

今季の目標は「老け込む年ではないのでもう1回レギュラーを勝ち取ってチームの代表としてプレーしたい」と断言。トレーニング施設の壁に「失敗とは挑戦をしない事だ」と自ら書き込んだ。勝負の22年、挑戦あるのみだ。【安藤宏樹】

◆異型狭心症 心臓の血管が極度に縮むことから生じる病気。胸が圧迫されたり、締め付けられるなどの症状があり、夜間から朝方に多く、安静時に起きやすいなどの特徴がある。心身の疲労やストレス、喫煙、過度の飲酒などが原因とされる。